【英語】高校 英語「4技能」を身につける

Learn-S Report Vol.24 英語「4技能」を身につける

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Learn-S Report(ラーンズリポート)

毎回、各教科のスペシャリストを招いて、対談やインタビュー形式で、各校の指導事例や先生方の熱い声をお届けする、ラーンズの連載企画「Learn-S Report(ラーンズリポート)」。

今回は、Listening & Speaking Training Seminarをご執筆いただいた木村 達哉先生(灘中学校・灘高等学校)に,英語「4技能」をテーマにお話を伺いました。
先生のプロフィール

木村 達哉(きむら たつや)先生
灘中学校・灘高等学校 教諭(英語)。
1964年生まれ。関西学院大学文学部英文学科卒業。灘中学校・高等学校で教鞭を執る傍ら、『夢をかなえる英単語 ユメタン』シリーズ(アルク)を始め、多くの書籍や問題集を執筆・監修。 また、全国各地の中学校・高等学校での講演会も行いながら、英語の先生の指導力向上を目指す「英語教師塾」や、福島・沖縄の生徒支援を目的とした勉強会「学びのネットワーク」を開催するなど、人との「縁」を大切にした活動を続けている。


英語「4技能」を身につける

なぜリスニングとスピーキングが苦手なのか?

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木村先生
学校の指導は,以前はリーディングの授業はリーディング,ライティングの授業はライティングというふうに独立して行われていました。ですが,本来は言語活動としてそれぞれがリンクしていなければならないはずです。日本語を習得する過程を考えてみても,「今日は日本語を読みますよ。」,「今日は書きますよ。」というふうに身につけたわけではないですよね?ではなぜ学校ではそれぞれの技能が別々の活動として扱われてきたかというと,先生側が言語活動はリンクすべきであると知らない場合が多いのではないかと思います。自分が生徒だったときにリーディング,ライティング,と別の授業で教わってきたので,教え方がわからないという場合があるんですね。逆にご存知の先生の授業は上手く進んでいると思います。

よく,「リーディングとライティングはできるけど,リスニングとスピーキングはできない。」と言う人がいますが,それは,机の上で本を読んだり,自分でノートに書いたりする勉強しかしてこなかったからだと思います。「リーディング・ライティング」と,「リスニング・スピーキング」は勉強法が違います。リーディングとライティングは従来型の授業スタイルでも大丈夫なのですが,リスニングとスピーキングにはトレーニングが必要なのです。従来の学校の授業では,トレーニング型の英語の授業はありませんでした。僕らが生徒の頃もなかったし,平成になってからもずっとありません。だから,日本人は聞いたり話したりすることが苦手なのだと思います。


インプットあってのアウトプット

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木村先生
本来,スピーキングとライティングのアウトプット活動は,相当な量のインプット活動がないとできません。その意味では,トレーニングをしたらリスニングとスピーキングができるようになるのかというとそうではなくて,言葉を知らない,ルールを知らないという人は話せないですよね?したがって,スピーキングとライティングのアウトプット活動の前に,しっかりとリーディングやリスニングができていなければなりません。


読んだり聞いたりしたなかで,知らない表現や英文法が出てきたら調べて,それを使って話してみよう,書いてみようとするから知識が頭の中に定着するのであって,読んでいるだけ,書いているだけというのは非常に効率が悪くなります。文章を読んで,「受動態ってこうなんだ。」とわかったら,次は受動態を使って文章を書いてみるとか,話してみるとか,インプットしたことをアウトプットしてみないと,英語の4技能をバランスよく伸ばすことはできないと思います。だからアウトプットの力をつけたいなら,リーディングとリスニングの活動を通じて,ある程度の語彙や文法を身につけておかなければいけません。指導する立場としては,読んだり聞いたりしたら,話したり書いたりする,ということを意識しておかないといけません。いつまでも別々の活動をしていたのではいけないと思います。


授業では4技能をミックスして指導

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木村先生
僕の場合は,いきなり「話しなさい。」,「書きなさい。」と言うことはほとんどありません。まずは教科書を読んだり,リスニングのトレーニングをしたりします。リスニングのトレーニングでは,生徒に必ずディクテーションをさせて,正しく聴きとれたかを確認させるためにスクリプトを読ませます。


「今,なんて言っていたのかな?」とスクリプトを確認することでリーディングの要素が入るので,「聞く」活動は絶対に「読む」活動と融合します。

授業ではリスニングやリーディングをする時間が長いです。でも,その中で「今日読んだ英文について,どう思った?」とか,to不定詞を習ったら「じゃあto不定詞を使って20文くらい文を作ってみよう。」とか,「単語帳に出てきた単語を極力使って英作文してみよう。」とか,学習したことをアウトプットする活動も授業に取り入れています。

スピーキングについては,生徒が高2の終わりや高3になると,生徒に日本の伝統やしきたりについてスピーチさせることが多いです。テーマについて知識があればいいですが,知識がなければ資料を「読む」ところから入ります。たとえば,「歌舞伎について英語で述べなさい。」というときには,まずは歌舞伎について調べて,情報を集めます。歌舞伎についての基礎知識だけでなく,それを表現するための単語や表現をインプットしなければなりません。この場合は,「歌舞伎について知りません。」という答えはありえないわけですから。読んだ内容をスクリプトにする過程で「書く」活動が入り,そして書き起こした原稿を何度も読みます。僕の授業では常に,「読んだら書け」「英文法を習ったら書け」「読んで書いて話せ」と,すべてがリンクするように指導しています。


原稿は完璧に!話すのはミスを恐れずに!

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木村先生
生徒が書いたスピーチの原稿について,僕は間違っているところに下線を引くくらいしかしません。基本的に生徒が書いて,生徒が自分で直します。僕が1人1人の添削をするには時間がかかりすぎるし,ネイティブの先生に頼むにしてもかなり量があるので。もちろん「話すときはミスを恐れずにしゃべれ。」と生徒たちには言っています。


緊張するだろうし,話しているそのときにはミスしてもかまわないと思うのです。日本語で話していても,たとえば,「ここにペットボトルが4ぼんあります。」って言ってしまって,「なんで4ぼんって言ってしまったんだろう?」と思いながら,話を先に進めることがありますよね。その前の,原稿を作る段階では「ミスをしないように」という姿勢が必要になります。

実際,知識として知らなくて,間違えて話している場合もありますよね。日本語でも「お箸を3本ください。」と言っている人もいます。授業でも,たとえば,生徒に「歌舞伎について話してみなさい。」と言ったとして,本来ならI’m going to talk about Kabuki.のように話し始めると思うけれど,これをFrom now, I talked 〜って始めてしまうと間違えていますよね。でも,生徒が話しているのをいちいち止めて「それはI’m going to 〜だよ。」と直すことは教室ではしません。それはスピーチの原稿を作る段階で直したり,教えたりしてあげなければならないことだからです。「お箸は『3膳』って言うんですよ。」という事前の指導が必要です。実際に話す段階で「お箸『3本』って言ってしまった。」というのと,「『3膳』という表現を知らなかった。」というのとは別物だと考えています。


リスニングとスピーキングを一緒に行う効果

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木村先生
スピーキングをするときは,リスニングができていることが前提になります。When’s the date of your birth?と尋ねられたら,質問の意味がわかって初めて,誕生日を答えられるわけです。ここで,「バースってなんだろう?」とつまってしまうと答えられないし,質問が理解できても日付の答え方がわからなければ答えられません。だから,リスニングとスピーキング両方のトレーニングをしておかなければならないのです。


実は,スピーキングのトレーニングだけなら簡単なんです。一方的に話すだけなら何でも言えます。ところが,聞かれたことに答えるという場合はリスニングの要素が入ってきますよね。How are you feeling now?と尋ねられたときに,Thank you very much for coming today.と答えたら,会話が成立しません。新幹線で隣の人にいきなりWhat sports are you interested in?と尋ねられたら,質問の意味を理解したうえでBaseball. Actually, I’m an outfielder of Hiroshima Toyo Carp.って答えたら会話が弾むかもしれないけれど,聴きとれなくて,答えられないと会話は弾まないですからね。だから実際のコミュニケーションの場面でも,リスニングとスピーキングはいつもセットになります。


スピーキングの前にリスニングのトレーニングを!

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木村先生
だから今回,スピーキングのトレーニングブックを作るために,リスニングのトレーニングをきちんとしておかないといけないなと思いました。世の中にはリスニングのトレーニングブックはたくさんあって,それができなければスピーキングはできないので,もちろん価値があると思っています。でも,リスニングとスピーキングをセットにした本はあまりないと思うので,今回執筆させていただきたいと思いました。僕としては,この『Listening & Speaking Training Seminar』を使って,双方向のコミュニケーション能力を生徒のみなさんが身につけてくれたらいいなと思うのが1つと,こういうふうにしてリスニングとスピーキングの両方の力を身につければ,4技能をバランスよく伸ばすことができますよと特に若い先生方に伝えたいのです。

たとえば,「おはよう」「こんにちは」「こんばんは」「おやすみ」「愛してるよ」などを口頭でどんどん英語にしていったり,「なぜ日本は長きに渡って鎖国をしてきたか?」についてまず日本語で文章を書いて,時間をかけて英語にし,それを覚えてあたかも今話しているように見せたりすることはもちろんできます。でも,「英語の力をつけたい。」,「話せるようになりたい。」というのは,そういう力をつけたいんじゃないでしょう?「こんにちは。」って言われたら即座に「こんにちは。今日は暑いですね。」って返したり,「昨日何食べた?」って聞かれたら「昨日は魚の煮付けを食べました。」って答えたりできる力をつけたいんでしょう?そのためにこのListening & Speaking Training Seminarを使っていただいて,また先生方に指導法を知っていただいて,教室で生徒のみなさんに指導してもらえたらいいなと思います。

※先生のプロフィールはインタビュー当時のものです。


2016年12月5日 公開



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