【日本史B】生徒の「自走」を促す日本史学習と補習

Learn-S Report Vol.25 地歴公民(日本史B)

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Learn-S Report(ラーンズリポート)

毎回、各教科のスペシャリストを招いて、対談やインタビュー形式で、各校の指導事例や先生方の熱い声をお届けする、ラーンズの連載企画「Learn-S Report(ラーンズリポート)」。

今回は,『進研WINSTEP 日本史B』をお使いいただいている徳島県立城北高等学校の喜枝秀行先生に,センター試験に向けてのご指導と,教材を使ったアクティブ・ラーニング型補習授業についてお伺いしました。
先生のプロフィール

喜枝 秀行先生
徳島県立城北高等学校勤務。
15年ほど前に勤務しておられた学校で,「インプット重視」の指導で成果を上げていたクラスが、センター前の2週間,授業や補習の機会がなかっただけで,センター試験の予想得点が10点下回るという「失敗」を経験。先生自身も苦い思いをなさったが,何より,結果を出せなかった生徒が謝りに来たことが大きなショックとなり,指導方法を大きく転換させる契機となりました。現在は,「生徒の自走する力」を伸ばすため,他者と協力し合いながら,「アウトプット重視」の指導を通して,多くの成功体験をつませるよう,日々工夫されながら授業や補習講義の改善を加えられています。



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自由な発想と工夫で,生徒の「自走」を促す授業と補習

生徒の五感を刺激して,さまざまな手法で行う日本史学習への興味づけ

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公開授業の様子(2年生)

ラーンズ 編集部
「日本史」を苦手としている生徒さんにはどのような特徴がありますか?

喜枝先生
日本史を「用語の暗記科目」としてとらえている生徒は,成績が伸びず,苦しむ者が多いですね。小学校や中学校では覚える量も多くないのでそれで対応できますが,高校の学習では相当量の反復をしないと難しいです。史資料の読みとりをはじめ,経済史や文化史など「覚える」量や幅が増大します。時代背景をふまえたうえで歴史事象を「理解」せず,「暗記」一辺倒の学習だと,覚えては忘れるを繰り返し,「日本史はおもしろくない」→「日本史は勉強したくない」→「日本史の成績が伸びない」という「負のスパイラル」に陥ってしまうのです。

ラーンズ 編集部
生徒さんがそのような「負のスパイラル」に陥らないように,どのようなご指導をされているのですか?

喜枝先生
意識しているのは,「単調な説明」に終始しないことです。高校日本史の学習は,歴史的な背景をふまえながら歴史事象の「つながり」を理解させる必要があります。単調な授業では,歴史に対する興味関心の低い生徒は何が重要で,何をどう理解すればよいのかがわかりません。そこで,まずはこの章の柱(軸)となるものは何かを,視覚,聴覚,触覚,味覚,想像力などさまざま手法を使って理解させます。単に資料集を見させ,分かりやすく説明するだけではありません。
例えば聴覚を使った手法では,当時の首相の演説音源から首相名や政策を考えさせたりします。叫び声や爆発音を出して事件を印象づけたり,擬音を多用することも多いです。これまで各地で入手してきた本物やレプリカに触れさせてみたり,旅先でのエピソードや一人芝居で想像力に訴えることもあります。たまに味覚で考えさせることもありますよ。江戸時代の海運の授業後,有名なカップうどんの西日本Ver.と東日本Ver.の食べ比べ会を昼休みに開催したり,ICT活用と称して文化史や各時代の政治史をまとめた板書をノートに写さず,携帯のカメラで撮影させたり(時間短縮),最近ではアクティブ・ラーニングの要素を取り入れ,「読む」「書く」だけでなく「話す」「聞く」力も身につけさせる「四技能日本史」をめざしています(笑)。
ただ,やはり「おもしろい」だけではいけません。子どもたちの目標達成のため,受験でも結果を出せる指導も行っています。


日本史学習を通して得た経験を,生徒の将来に活かす

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公開授業の様子(3年生)

ラーンズ 編集部
受験に向けた指導として具体的にどのようなご指導をされていますか?

喜枝先生
私は,「授業ではインプット重視、補習(演習)ではアウトプット重視」というスタイルをとっています。そのアウトプットの中で「進研WINSTEP 日本史B」を使ってアクティブ・ラーニングの要素を取り入れた指導を実践しています。

ラーンズ 編集部
「進研WINSTEP 日本史B」を使ったアクティブ・ラーニングについて,その手法を具体的に教えてください。


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喜枝先生
まず,STEP4の演習問題をあらかじめ個人で解かせておきます(個の作業)。その際,根拠つきで間違いを指摘できる部分に「×」,根拠がよくわからないものは「?」,選択に悩んだ番号を線で結ばせておきます。早朝補習(約30分)は時間が限られていますので,あらかじめ解かせておいた問題を元に質問を次々に投げかけ,ペアワーク(シングルでも可)で関連知識をつなぎ,つながりの悪い部分は整理したりまとめたりして,初見の問題にでも対応できる力を身につけるようにしています。



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喜枝先生
一方,長期休業中の補習は90分ですので,時代をまたいだ分野問題や総合問題,記述式の問題をアクティブ・ラーニングの手法を用いて挑戦させます。一人で解くより協力し合って解いた方が,理解が深まりますし,成果も上がることを体験させ(協働の作業),模擬試験や入試に対応する学力と,入試を乗り越えていくための集団意識の向上を図っています。


喜枝先生
今回はジグソー法の手法を用いて,普段補習で活用している「進研WINSTEP 日本史B」で生徒が苦手とする古代文化史の総復習を実践しました。私は常に授業も補習も公開していますが,見に来ていただいた方には基本的に生徒の中に入って実際の動きを体験してもらっています。その方が生徒にとっても刺激になりますし,クラスメイトとは違う他者に教えることで,学力だけでなくコミュニケーション力や協働力など,今後生徒が大学や社会で必要とされるであろう力を育てることができると考えるからです。せっかくですからラーンズさんも離れて取材されるのではなく,補習に参加して,日本史の受験勉強を体験してみてください。

ラーンズ 編集部
なぜ多くの問題集があるなかで「進研WINSTEP 日本史B」を選んで補習授業をされているのですか?

喜枝先生
実際に問題を解いてみて,わからない時や知識の整理があやふやな時に自分の理解レベルに応じてSTEP1〜3に戻れるからです。特にSTEP3の要点整理はよくできていると思ったから取り入れました。


喜枝先生
STEP1〜3を学習すればSTEP4の演習問題が解答できる編集になっていますが,私はあえてSTEP4を何も見ずに解いて,疑問点や知識の整理が必要と感じた時にSTEP3→2→1へ戻るように指導しています。必要な情報が一方通行ではなく双方向からアウトプットできるように問題演習は全て逆方向からを意識させます。既習範囲の復習は,新しい時代から古い時代に遡りながら質問していくこともあります。


喜枝先生
このように,「ちゃんと考えれば答えがわかる」=「解ける」という成功体験をつませることが大切です。さらに,「進研WINSTEP 日本史B」は用語の羅列ではなく,歴史の流れを意識して構成されているので,生徒も理解しやすいようです。

ラーンズ 編集部
「成功体験をつませることが大切」とおっしゃいましたが,もう少し詳しく教えてください。

喜枝先生
私は授業のときに生徒たちに「100点をとることよりも,100点を取るために行った努力や工夫を覚えておいてほしい」と伝えています。もっといえば「100点を取ることよりも,30点だった子が50点をとるために努力した体験の方が将来は役に立つ」と考えています。
模擬試験のたびに生徒と勝負して,自分の得点を超えてくれる生徒が現れてくることも教師冥利に尽きますが,成績の振るわない生徒が「日本史の授業は時間が早く感じる」とか,「私が1年間,授業で寝ることがなかったのは奇跡です」とアンケートに書いてくれていることが嬉しいです。授業でしか関わっていなかった卒業生が街中で私に声をかけてくれ,印象に残っている授業の話や,高校時代に頑張った思い出などを語ってくれることが何よりの励みになります。
受験のための知識は入試が終わると必要がなくなります。しかし,「頑張った」「できた」という体験は,何らかの財産になると思っています。私が教えているのは高校日本史という小さな世界の中でしかありませんが,せっかく頑張ったこの体験を,大学生や社会人,そして親として活かしてくれることを期待しています。

ラーンズ 編集部
ありがとうございました。


2017年1月8日 公開


学校紹介

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徳島県立城北高等学校
1941年,徳島市千松国民学校において開校式をあげ同校内に仮校舎を設置(第1回入学生165名)。1949年には新制高等学校編成により徳島県城北高等学校となり,1956年徳島県城北高等学校と改称して現在に至る。
生徒のほとんどが進学希望で,多くの生徒が自らの夢の実現に向けて,目標を定め,授業や補習に熱心に取り組んでいる。早朝補習は年間100日以上実施され,考査や行事等で早朝補習のない日でも午前8時には多くの生徒が登校して自主学習に励んでいる。また,3年生になると,放課後に教室で自主学習をする生徒も多く,冬場の窓の灯りは城北名物と言われている。
また,約9割の生徒がいずれかの部活動に所属しており,文化部14部,体育部16部,同好会3部がそれぞれ熱心に活動している。 文化部では,人形浄瑠璃の民芸部がよく知られ,全国的にも貴重な人形会館で伝統芸能の継承にも努めている。ライフル射撃部も全国大会で活躍,オリンピックに出場した卒業生もいる。


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