【国語】『学校で学ぶのが楽しい』と感じる生徒を育てたい

Learn-S Report Vol.27 『学校で学ぶのが楽しい』と感じる生徒を育てたい

Learn-S Report Vol.27 『学校で学ぶのが楽しい』と感じる生徒を育てたい

Learn-S Report(ラーンズリポート)

毎回、各教科のスペシャリストを招いて、対談やインタビュー形式で、各校の指導事例や先生方の熱い声をお届けする、ラーンズの連載企画「Learn-S Report(ラーンズリポート)」。

今回は、報徳学園 中学校・高等学校 上田 篤志先生にアクティブラーニングを取り入れた授業の実践、指導ポイントについて、お話を伺いました。
先生のプロフィール

上田 篤志(うえだ あつし)先生
報徳学園中学校・高等学校 国語科教諭。
中高一貫の国公立大学を目指す「U進コース」において、中学3年生からご指導。生徒が安心して発言できる「場」を作り、活発な議論が飛び交う活気ある授業を行っている。水泳競技部監督。


アクティブラーニングを取り入れた国語の授業の指導ポイント

自己肯定感を引き出し学習意欲に繋げる

Learn-S Report Vol.27 『学校で学ぶのが楽しい』と感じる生徒を育てたい

ラーンズ 編集部
アクティブラーニングを授業に取り入れることで生徒の学習意欲に変化はありましたか?

上田先生
教材に興味を示さず、まずは本文に向き合えるかどうかという、「内容理解」以前の段階にいた生徒もいました。
しかし、アクティブラーニングで自分のアイデアがグループ内で採用されることや、教員に紹介されて評価されることでその単元に対する抵抗感がなくなり、「自分もこの学習に参加できる」という自信に繋がっています。
学習意欲はこういった学習に対する自己肯定感から生まれるものです。
授業内でアクティブラーニングをうまく取り入れることで、主体的な学びの姿勢を促すことができると実感しています。


生徒の意見を尊重し発言を促す指導が能動的な学びを育む

ラーンズ 編集部
アクティブラーニング型授業で心がけていることは何ですか?

Learn-S Report Vol.27 『学校で学ぶのが楽しい』と感じる生徒を育てたい

上田先生
アクティブラーニングでは深い思考を促すために対話を用います。教員が生徒の意見を頭ごなしに否定しないことはもちろん、グループワークなどでも友人の意見を理由もなく否定するのは避けるように注意しています。

ときに想定外の意見が飛び出すことがありますが、それらをうまく受け止めてあげながら、授業を進めていくことを心がけています。



他教科との連携で理解を深める

ラーンズ 編集部
今後の授業展開や教材の活用方法について、ご意見をお聞かせください。

上田先生
授業で使用した キミが学びを深める 国語1評論では「メディア文化財を保全・活用する」という課題が与えられますが、普段生徒が行政に関して思いを巡らす機会はなかなかありません。
現代社会や政治経済といった社会科の単元と連携しながら「公共」という概念に触れることができれば、さらに理解を深められると思っています。
総合的な学習の時間で扱い、自分たちの街の情報を集めにフィールドワークへ出かけることや、生徒による政策コンテストを実施しても面白いかもしれません。
教員の創意工夫により、授業の可能性は限りなく広がります。


『学校で学ぶのが楽しい』と感じる生徒を育てたい

ラーンズ 編集部
アクティブラーニングを通じて、どのような力をつけてほしいですか?
また、どのような生徒を育てたいとお考えですか?

上田先生
「学校で学ぶのが楽しい」と感じる生徒を育てたいです。
「早く次の国語の授業がこないかな」とワクワクするような生徒が増えれば、生徒の自律した学びが展開されていくと考えています。
学びに向き合う生徒自身が主体的であることが大切です。
教員は、学ぶべき内容と方法に間違いがないかを確認しサポートします。
アクティブラーニングで、生徒が自ら学ぶために必要な力、学習力とでも言うべき能力を身につけてもらいたいと考えています。


【授業実戦】新刊「キミが学びを深める 国語1」を使って

上田先生の単元計画

 1.本文と資料を合わせて読み全体像を理解する
 2.与えられた課題に対して提案を導き出すために必要な情報の収集
 3.課題に対する具体的な提案の作成
 4.プレゼンテーション


【課題概要】提案を導き出すために必要な情報の収集

〇〇市における「メディア文化財の保全と活用について」提案をせよ

Learn-S Report Vol.27 『学校で学ぶのが楽しい』と感じる生徒を育てたい

1:吉見俊哉の評論「公共知の未来ヘーデジタルの衝撃とメディア文化財」を読みメディア文化財の概念について触れる

Learn-S Report Vol.27 『学校で学ぶのが楽しい』と感じる生徒を育てたい

(1)本文を読みながら、重要な語句には線を引かせたり、四角で囲んだりさせて、ポイントを押さえる。

(2)「情報を1つにまとめることを何と言ったかな?」「アーカイブ!」(生徒からの声)「そうアーカイブだね。」など生徒に問いかけることにより、常に双方向でのコミュニケーションをとりながら解説を進めて行く。

(3)板書により文章の構造を論理的に理解させる。



2:課題(プロジェクト)についての確認

(1)課題を明確にする。「キミたちは〇〇市の若者議会の議員になった。〇〇市におけるメディア文化財の保全と活用についての提案をしなければならない。

(2)今後の進め方についてアドバイスする。「与えられた本文・資料の他にも、インターネットを使って調べてもいいし、フィールドワークをしてもいい。」


3:ブレーンストーミング「街の情報」にはどういうものがあるか?

(1)「メディア文化財」という言葉の直接的な説明が本文にはないため、段階をへて生徒に示してやることが必要。まずは「街の情報」にはどういうものがあるか、グループワークで話し合いながら、ふせんに書いて挙げさせる。

(2)先生はグループの間を周りながら、「それは街の人に役立つ情報なんかも入っていていいですね。」などポジティブな声かけをして、生徒のモチベーションを高める。


4:代表者による発表

(1)ブレーンストーミングで挙がった項目を各グループの代表が全員の前で発表。ふせんの数を競わせたこともあり、「それって街の情報に入るの?」「数打ちゃ当たる戦法だな。」など、仲問から意見や野次も飛び、おおいに盛り上がる。

(2)生徒から挙がってくるものはさまざま。想定外の項目に「?」となりながらも、決して否定はせず、なぜそれを選んだかを聞き取っていく。


5:ふせんに書いた項目から疑問文・課題を作る

Learn-S Report Vol.27 『学校で学ぶのが楽しい』と感じる生徒を育てたい

(1)ブレーンストーミングで挙がった街の情報から3つを限定して、それに対する疑問文・課題を作る。先生は例として「祭り」を取り上げ、「子供たちに『祭り』を伝えていくには?」という課題を示す。

(2)再びグループでのブレーンストーミングとなり、生徒からは質問も挙がる。「その街を舞台にした小説・マンガ・映画はどうだろう?」「そういったものを1カ所に集めて情報化する、デジタルだったら一気にアーカイブできるね。」生徒の意見を一歩前に進める。



6:保全と活用(次の授業に向けて)

(1)疑問文に対して、青のふせんには保全(どうやって保存していくのか?)、黄色のふせんには活用(どのように活用していくのか?)を書くように指示。

(2)デジタルデータの可塑性について説明、確認し(例えば古文書だと切り刻んで新聞を作ることはできないけれど、デジタルになっていたら編集して歴史新聞を作ることもできる。)、次の時間には、さらにデジタルということに注目しながら、ふせんを増やしていきましょうと締めくくり、次回の授業へと繋げる。


授業見学を終えて
どんな言葉にも耳を傾け、評価し、肯定していくことで、生徒は安心して発言することができます。また、先生や仲間との議論の中から、新たな発見やアイディアが生まれます。上田先生の授業は、全員が当事者意識を持って積極的に参加し、活気に溢れていました。

※先生のプロフィールはインタビュー当時のものです。



2017年12月4日 公開



Think and Quest(アクティブ・ラーニング型教材)

» Think and Quest(アクティブ・ラーニング型教材)を購入する



  • 最新イベント情報
  • Learn-S Report(ラーンズレポート)
  • ラーンズ 問題集 導入事例
  • ダウンロードデータ 一覧をチェック

高校問題集の購入・注文方法

高校問題集を購入する

  • オーダーシステム
  • 生徒手帳
ページトップへ
ラーンズのサイトでは、個人情報の入力をお願いするページは全てSSLセキュアページで保護しております。
ISO27001
IS538539 / ISO 27001:2013
ラーンズではISMSの国際標準規格「ISO27001」を取得。情報資産を適切、安全に保護するため、情報セキュリティ向上に努めております。
えるぼし認定企業
ラーンズでは、えるぼし3段階を取得。女性の活躍推進法に基づき、取り組みの優良企業として厚生労働大臣の認定を受けています。