【AL】日本史を使った指導について Think and Quest| 株式会社ラーンズ

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【AL】日本史を使った指導について Think and Quest

Learn-S Report Vol.33 日本史を使った指導について

Learn-S Report Vol.33 日本史を使った指導について Think and Quest(アクティブ・ラーニング型教材)

Learn-S Report(ラーンズリポート)

毎回、各教科のスペシャリストを招いて、対談やインタビュー形式で、各校の指導事例や先生方の熱い声をお届けする、ラーンズの連載企画「Learn-S Report(ラーンズリポート)」。

Think and Quest(TQ)を使用してアクティブ・ラーニング型の授業に取り組まれている群馬県立高崎高等学校の先生方に、お話をうかがいました。

アクティブ・ラーニング
教育改革が進むなかで求められる、「生徒が主体的に学習に取り組む力」。日本史でその力を育成するためには、どのような授業を実現すればいいのでしょうか。
今回は、群馬県立高崎高等学校の西村淳也先生と井田郁浩先生に、Think and Quest日本史を使った、「主体的で対話的な深い学び」を実現する指導のポイントを伺いました。グループ活動を行ううえでの工夫などもご紹介します。

学校紹介

学校プロフィール

群馬県立 高崎高等学校
群馬県立高崎高等学校は、明治30年(1897年)4月に群馬県尋常中学校群馬分校として、今年で創立121年目を迎えた。


(1)3F精神(ファイティングスピリット(闘志)・フェアプレー(公明正大)・フレンドシップ(友情))を涵養すること、(2)文武両道を堅持することにより自己教育力を深めること、(3)高い志と豊かな人間性を兼ね備え、広く社会に貢献する生徒を育成することを教育目標として掲げている。毎年200名近くの生徒が国公立大学へ進学し、東京大学合格者も10名近くに上る。


教員がしゃべらない授業
TQを使い始めての変化
今の学習が社会での力につながる


教員がしゃべらない授業

Learn-S Report Vol.33 日本史を使った指導について Think and Quest(アクティブ・ラーニング型教材)

ラーンズ 編集部
Think and Quest(以降、TQ)日本史は、どのようなタイミングで使用していますか?

西村先生
教科書である程度の単元が進んだら、TQを使っています。普段の授業のときにはオリジナルのテキストを使用していて、左半分は重要事項を埋める形式ですが、右側は生徒が自由にメモをとれるページにしています。メモをとると成績が伸びると聞いたことがあるので、必ず見開きの右側はメモ欄にしています。


ラーンズ 編集部
TQ日本史を使用した授業の展開について教えてください

西村先生
1ユニット50分で設計されていると思いますが、本校の生徒にとっては50分はいらないと思います。ですからSTEP1で知識を確認するという作業はさせていません。STEP2を12分、STEP3を12分でやらせて、最後のSTEP4かSTEP4plusを各自で選択させて、7分ぐらいで取り組ませています。本校生徒にとっては少し間に合わないぐらいのペースでちょうどいいです。

井田先生
TQを使うタイミングは西村先生と同じです。時代や分野がある程度終わったところで、TQを使っています。時間配分は、今のところファシリテーションブックに沿った時間でやっています。授業の最後には冊子を回収して、良い解答があったら、次の授業のときにそれをコピーして生徒に配っています。前の授業の復習として使っています。


ラーンズ 編集部
授業中に気を付けていることを教えてください

西村先生
なるべく自分がしゃべらないことです。授業でもHRでも、私は日々できる限り情報をコンパクトにして生徒に伝える、しゃべらないことを自分に課しています。ですからTQを使った授業でも、「お互いに意見を出し合え」「一人でできることはたかがしれてるぞ」「教え合え、わからない者はわかる者に教えてもらえ」くらいしか発言しません。

井田先生
西村先生と同じでなるべくしゃべらないようにしています。質問されても友達同士で調べさせて、なるべく答えない。みんなで結論を出しなさいというふうに指導しています。


ラーンズ 編集部
グループ活動の取り組ませ方について教えてください

井田先生
基本的には席の近い順でグループを作らせています。特に指示をしなくても、お互いに意見を出し合って活発に議論しています。グループによって黙ってしまうクラスもありますが、そういうときにどうすればいいのか、常に考えながら授業を進めています。

西村先生
「司会」「書記」「タイムキーパー」「ほめ役」「あまのじゃく」という役割分担を、半強制的にやらせることもあります。特に司会は、以前から輪番制にしていました。グループ内に積極的な生徒がいると、その生徒が毎回司会をやってしまう。そうすると、黙ってしまう生徒が出てきてしまうので。全員に発言の機会を与えたいと思ったときに、小学校向けの協働学習の本を読んでみると、そういう役割が書いてあったのでやってみようと思いました。高校ではなかなかこのような協働学習はしていなかったですからね。


TQを使い始めての変化

Learn-S Report Vol.33 日本史を使った指導について Think and Quest(アクティブ・ラーニング型教材)

ラーンズ 編集部
先生同士でTQを使った指導の相談をしますか

西村先生
そうですね。もともと今の2年生を自分が担当するつもりでTQを購入したら、自分が3年生で、井田先生が2年生になったので、井田先生にもTQを使ってもらうことになりました。井田先生は困っていましたね(笑)。

井田先生
転勤してきたばかりということもあって、生徒のことをよくわかっていれば反応を予想することもできましたが、本当に議論が盛りあがるのか…困惑しました。西村先生からは、「気分転換として導入して」「自分は話しなくていいから」というアドバイスをもらいました。じゃあ、使ってみようと。実際にTQをみていくと、シンキングツールを使って、いろいろな方法で考えることができるので、これは続けていくと何か残るのかもしれないと思いながら進めています。


ラーンズ 編集部
TQを使用したときに、先生のなかで何か変化はありましたか

西村先生
ありました。TQの誌面の構成が使いやすいので、オリジナルのグループ学習用プリントも真似をしています。最初に知識を確認して、シンキングツールで考えを深め、最後に文章化するという構成です。特にキャンディ・チャートはいいなぁと思いました。「もし~なら」という問いかけを前々からやりたいと思っていたけど、どのようにすればよいかわからなかった。「もし~ならば」を考えるには、その時点よりも後ろのことが正確に認識できていないといけない。知識の定着の面でも使える考え方だなと思いました。


ラーンズ 編集部
生徒のみなさんの反応はいかがですか

西村先生
こういった形式で難しいのは、生徒との関係がきちんとできていないと使いにくいというところです。去年の3年生は2年生から持ち上がりで、しかも自分が担任をした学年なので、自分がTQを使っている意図というものをある程度説明すれば、わかってくれました。でも、まだ付き合って半年もない生徒だと、「こんなことをやっていていいのか」という空気が流れてしまう。そういう声が一部にあるのは確か。でも、徐々に生徒とつきあっていくと、TQを使うことにもグループ学習をやることにも慣れてきました。


ラーンズ 編集部
TQを使用するうえでの課題はありますか

西村先生
個人とか班とかクラスによる学習の濃度の違いはあります。こういう授業形態をとるのであれば、ついてまわることで、そのデメリットを考えるのであれば、導入のメリットを考える。メリットがデメリットを追い越せば導入の意味はあると思います。


今の学習が社会での力につながる

ラーンズ 編集部
最後に、日本史の授業を通して、どういう生徒になってもらいたいとお考えですか

西村先生
「日本史はおもしろい」と思ってもらえたらいい。それが間接的に東大に合格できることにつながればいい。TQを導入してもすぐ聞かれるんですよ。「それ東大に役立つの?」とか。別にそんなことを求めてるんじゃなくて、おもしろきゃいいじゃんと。

井田先生
教員で講義型の授業が多くなるのは、アクティブラーニングを導入しても入試の結果につながらないと思う先生が多いんだと思います。教科書もなかなか終わらないし。いろいろな考えがあると思います。でも、好きなものって生徒が勝手に始めるじゃないですか、それが理想だと思うんですよ。だから、それを追及していって、自分たちで勝手に勉強するようになるといいと思います。

西村先生
シンキングツールなど、TQでやったことは社会に出てからも必要になる。今の学習は将来の仕事にもつながるので。授業を通してその準備をしています。


※先生のプロフィールはインタビュー当時のものです。



2018年11月02日 公開



Think and Quest(アクティブ・ラーニング型教材)

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