Learn-S 指導事例【手帳】自己管理力と学力を養成し「自走する生徒」を育成

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自己管理力と学力を養成し「自走する生徒」を育成

Learn-S 指導事例 vol.019

さまざまな学校課題や指導テーマに対して指導を工夫されている先生方に取材を行い、その実践をご紹介する、ラーンズの連載企画「Learn-S 指導事例」。

「振り返り」の質を高め、「メタ認知力」を鍛える「今未来手帳」。採用されている学校は、どのような機能に魅力を感じ、どのように指導に生かされているのか。そして、どのように生徒が変化したのか。実際にご活用いただいている先生からおうかがいしました。

【手帳】自己管理力と学力を養成し「自走する生徒」を育成

横島 真澄先生
茨城県立守谷高等学校 3学年主任 英語科。
英語教師として茎崎高等学校、水海道第一高等学校に勤務。現在校は9年目。赴任当初より、7年間担任、進路指導部を担当した。今年度は3学年主任として「自走できる生徒の育成」に取り組む。2019年度「手帳もりすけ」導入の中心メンバーとして、さまざまな活用のしかけを作り、今に至る。

01. 手帳導入の理由ときっかけ

生徒の前に、先生との目線合わせ

横島先生
本校で2回、3年生を送り出しましたが、もっと生徒を成長させたい、新しい取り組みを行いたいと思い、今未来手帳を導入しました。

導入のきっかけは、3年前にベネッセの研究会に参加し、県内の学校で今未来手帳を活用し、生徒の「聞く」「書く」習慣作りから課題解決したという事例でした。同じ課題を持つ我が校でもできるのではと思い、学年へ提案。「教科書すら持ってこないうちの生徒が使えるのか?」という反対意見も当然ありましたが、まずは1 年間やってみようということで今未来手帳の運用をスタートしました。

まず学年や学年に関わる先生方に「手帳を運用する狙い・目的」を理解してもらわないと、同じ目線で手帳の指導にあたれないので、記入の仕方や使用法の要点をまとめ学年会で目線合わせを随時行いました。

申し合わせ事項として「口頭で指示し、その場で書かせる」「掲示物やプリントは必要最低限で」「手帳は回収してチェックしない」。また生徒に配布した「もりすけ(※手帳の愛称)の約束事」も学年に関わる先生方に周知してもらいました。

02. まずは「聞く」「書く」習慣の定着から

口頭で指示し書かせることを徹底

横島先生
「聞く」「書く」習慣の定着のために、これまでプリントを配布や掲示していたものを極力廃止、口頭で指示し書かせることを徹底しました。定期試験の日程、範囲、配点なども全て口頭で伝え、手帳に記録させました。

連絡の掲示物も極力減らしすっきりした教室環境を作り、手帳を開く機会をできるだけ多く設け、書かせるだけでなく、振り返りもさせるようにしました。以上を、学年に関わる担任、副担任、教科担当者が共通理解を持って指導を行いました。

回収してチェックしない手帳の活用

横島先生
手帳を回収チェックしないで生徒はホントに使うのか、とよく言われますが、回収してチェックしなくても生徒は使います。生徒が話を聞きながら手帳を開いて書いていれば、もうその生徒は手帳を使えていると確認できますし、学校生活の様子をみれば手帳を活用できているかどうかはわかります。手帳を回収してチェックするのは教員の負担にしかならないし、そもそも「書かせる」ことが狙いなので、回収したらいざというとき書けないので意味がありません。

またプライベートなことも書いたりしていて、私もそこを見るのは嫌なので回収しません(笑)。結果として、手帳導入から3か月後、生徒に向けて手帳活用状況確認のアンケートを行いましたが、8割以上の生徒が手帳を活用できていると回答するほど手帳を生徒の学校生活に浸透させることができました。

03. 学力向上、学習意欲向上に向けた手帳の活用

生徒は自分の学力を把握し、現在の状態に危機感を持つように

横島先生
我が学年ではベネッセの基礎力診断テストを受験し、また基礎学力向上のために義務教育範囲の学び直しのできるマナトレを使用しております。これまでは基礎力テストもやらせっぱなしでうまく活用できておらず、学力の意識づけもできてなかったため、学力も右肩下がりでした。学力向上に向けて、今未来手帳を導入した学年団では、基礎力診断テスト、マナトレの活用改善と、GTZ(※)のCゾーン(進学しても就職しても苦労しないチカラ)に到達する意識づけを行いました。

学習意欲向上の取り組みのひとつとして、手帳に記入させて振り返らせる取り組みを行っています。基礎力診断テスト実施前に手帳に前回のGTZ を記入して振り返らせ、今回の目標GTZ を記入。成績表が返ってきたらGTZ と「全体の振り返り・次回のテストに向けての課題・決意」を書かせます。

また定期考査の際も同様に、手帳の定期考査ページにテスト前に目標点を記入させ、答案が返却されたら得点、平均点、自己評価、振り返りコメントを記入させます。

この取り組みで、生徒は自分の学力を把握し、現在の状態に危機感を持ち、次は頑張ろうという気持ちが働き、学習に向かう生徒が増えました。振り返りの効果による学習意識向上です。

同時に評定平均も記録させ、進路についても意識させており、これも学習態度の変化につながっています。

※GTZ(学習到達ゾーン)とは、ベネッセのテストに共通の評価指数です。

マナビジョンとの併用で、学校生活全般の記録と振り返りを促進

横島先生
手帳とマナビジョンに「いつ」「何を書くか」を意識させ、手帳の活用と学校生活全般の記録、振り返りを促進させるために「ポートフォリオ入力チェックシート(学校独自資料)」を用意し、定期的にLHR 等の時間を使って学校生活全般の手帳への記入とマナビジョンへの入力を行っています。この取り組みを普段から行っているため、キャリアパスポートをわざわざ準備することなく、記録ができるようになっています。

3年次からのあらたな取り組み2つ

1つめ
「モリボー」(もりすけボード:掲示板)の運用を開始しました。これまでは口頭指示で書くことを徹底させていましたが、3年次からはモリボーを見て自分に必要な情報を書くようにさせました。社会に出て必要となる情報の取捨選択能力を養い、それを記録し自己管理力を育成するのが狙いです。生徒もこれまでの指導の結果、柔軟に対応できています。
2つめ
3年次より面接指導がスタートしましたが、面接指導の際に必ず手帳を持参させるようにしています。指導終了後担当教員が押印して、生徒は手帳に記録することにより、生徒も先生もどのくらい指導を受けたか確認できます。本番時にも手帳を持参させる狙いもあります。

04. 生徒の自己管理力と学習意識を向上させるために大切なこと

〇聞く・書く習慣をつける
〇手帳に書かないと困る仕掛けをつくる
〇自分で把握することはすべて手帳にかかせておく
(出席日数・定期考査や外部模試の結果・行事・部活動・検定・評定平均 etc. )
横島先生
手帳の活用を促進するためには、生徒以上に先生の共通理解が必要となります。学年に関わる全ての先生が同じように指導できる組織づくりが行えるとよいですが、そこが一番大変なところかと思います。先生に理解してもらうために、生徒に手帳をもたせることが教員の負担減につながる仕組みを説明し、またデジタルにはないものが手帳にはあること、実社会で必要な能力が手帳で身につくこと、といった手帳の必要性を理解してもらう、さらに学年団の目線合わせと学年間のすり合わせも重要になりますが、手帳活用推進担当などの旗振り役の先生が学年に複数名いるとうまく運用が進みます。

2021年6月22日(火)に実施したオンライン研究会での、横島先生のご講演映像と資料を「ラーンズWeb会員限定コンテンツ」で公開中です。

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学校紹介

茨城県立 守谷高等学校
1983年創立の全日制普通科高校。「克己・進取・誠実」の校訓のもと、生涯にわたって学び続ける能力の育成を目指す。約3/4の生徒が進学。

編集後記

営業担当
明石

手帳導入前に学校内では、「生徒が使うわけがない」「タブレットあるからいい」「教員の負担になる」というようなお声がよく上がるとお聞きしています。
守谷高等学校でも同様のお声が当初ありましたが、「『何のために』手帳を生徒に持たせるのか」ということを明確にし、その「目的」を生徒だけでなく、先生方とも共有し、学年団が一枚岩となって導入に至られました。
また、「どうやったら生徒が手帳を使わないと困るだろう?」と先生方が楽しみながら考え、様々な仕掛けを行った結果、社会生活の基本となる「聞く」「書く」習慣の定着から、振返り習慣の定着(メタ認知力向上)、自己管理力向上、学力向上、自己肯定力向上に繋がりました。
「手帳を生徒が使うようになって『本当に』楽になりました」というお言葉がお聞きできたことと、生徒の成長につながった先生方のご指導に感動しました。
横島先生、ありがとうございました。

2021年8月 取材
2021年9月10日 公開

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生徒の進路が多様な学校様での、生徒の自己管理力向上や生活態度改善、基本的生活習慣の育成に『今未来手帳』をおすすめいたします。今未来手帳は、定型版(A5サイズ・B6サイズ)と、カスタマイズ版をご用意しております。
定型版は、スケジュールなどの基本的な手帳の機能や、メタ認知力がアップする『リフレクティブトレーニング』などが含まれています。また、生徒の様々な活動を記録するだけでなく「自問自答力育成」も可能な『活動記録ブック』(別売り)もあわせてご用意しております。
守谷高等学校様のように、ご指導や生徒さんの活用目的に応じて学校オリジナルのカスタマイズ版を作成することも可能です。先生と一緒にラーンズの担当者社員が、御校にとって最適な手帳を考え、製作いたします。

『今未来手帳(いまみらい手帳)』