2021年1月29日(金)実施オンライン研究会 横島真澄先生からのご回答| 株式会社ラーンズ

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2021年1月29日(金)実施オンライン研究会 横島真澄先生からのご回答


ご質問への回答

Q. 手帳にはサイズが2つあると思いますが、どのサイズを使用していますか?

2年続けてA5サイズを使用しました。来年度はB6サイズを使う予定です。生徒にアンケートを取ってみるとだいたい半々でした。たくさん書き込めるから大判のほうがいいという意見と携帯するのに小さいほうがよいという意見がありました。試しに来年度はB6版を使ってみようかということになりました。それ以降は生徒の様子を見て判断していく予定です。

Q. 男子の活用度合や特徴などがあれば伺いたいです。

男子の活用の特徴は、まず女子と違って自宅に持ち帰っている生徒の率は低いです。机の中に入っていることが多いです。スケジュール帳としての役割が強いです。振り返りの部分が女子ほどまめではなく、あっさりしています。成績や考査のページに関しては男女差はそれほどなく、よく使えています。ラフ化などしてオリジナルの使い方をしている男子生徒もいます。男子は教材を失くすこともたまにあるので、全員が紛失せず、持っているということだけよしとしています。あとはこちらの声かけと工夫に尽きます。

Q. 手帳がないと困る仕掛けについて、より具体的な方策を教えてください。また、それを実施するうえでの教員間の意見の対立などはなかったのでしょうか?(特にテスト範囲などは貼って当たり前という文化で動いていると、変化させることはなかなか大変ですよね。)

毎日の予定・考査の日程や範囲がわからないと生徒はかなり困ります。他には、担任と面談する際には必携になっており、ない場合、順番が後回しになる。各自の成績評定や欠席・遅刻の日数の記録は通知票などから書き写しているはずなので、担任に聞いてきても教えてもらえない。LHRで実施するポートフォリオ作成の時に、何も入力できないなど恥をかくことになります。
教員間の意見の対立は多少はありました。お願いする形で、何度かお願いしました。最終的には、テスト範囲の掲示物やプリントを作らなくていいのは仕事が減るということに気づいてくれ、徐々に口頭発表に慣れてくれました。
生徒のほうも聞き漏らした場合でも友人に聞いたりと、自分でどうにかするようになります。現在、この問題はクリアーできました。

Q. 「手帳はチェックするもの」という教員のマインドを変えるには、どのような工夫が必要だと思われますか?(実際に、この点で仕事が増えたという指摘をされることも多いです。)教員が手帳に対してネガティブだと、有効には機能しないですよね。個人的にもチェックするために提出するのではないし、使い方は教えても書かないと注意されるから書くというのは意味を感じないです。

これに関しては学年スタッフと話し合いました。さまざまな意見がありましたが、本校は進路多様校であるため進学校によくあるような学習時間チェックのために手帳を持たせるつもりがありませんでした。基本的習慣を身につけさせたい、すなわち自己管理能力の育成が目的でした。だから、書かない子がいても仕方がない。必要以上の強制はお互いに苦しくなるからやめようとなりました。個人的な手帳を人に見せるというのは大人の場合はありえないわけで、生徒も嫌だろうと。仮に提出を求めたら、自由に使えないのではとなり、回収しないという結論に落ち着きました。
2年間使っていて、「回収しよう」という意見が出たことは一度もなく、「回収は必要ない」「回収しないほうがいい」と学年スタッフは思っています。だからこそ手帳を書かないと困るしかけが必要になります。
毎日の予定・考査の日程や範囲がわからないと生徒はかなり困ります。他には、担任と面談する際には必携になっており、ない場合、順番が後回しになる。各自の成績評定や欠席・遅刻の日数の記録は通知票などから書き写しているはずなので、担任に聞いてきても教えてもらえない。LHRで実施するポートフォ リオ作成の時に、何も入力できないなど恥をかくことになります。
それらがうまく回り始めると教員は口頭連絡するだけなので、負担・ストレスは減ってきます。「手帳を持たせてよかった」とよく話しています。

Q. 手帳は回収しないということでしたが、私は生徒のプライバシーに配慮した上で一学期に最低1回は回収して教員がチェックしたほうが手帳の活用が徹底すると思いますが、いかがでしょうか。

本校の状況は上述の通りですが、うまく回り始めると回収してチェックしなくても生徒は自ら手帳を使うようになるので、それで十分だと考えています。

Q. 手帳を持つことの威力を教員が感じるのは、やはり具体的な成果でしょうか?もちろん、日々の生徒の行動や顔つき、面談での様子もあると思いますが、そこと手帳が結びつかないこともあると思います。

確かに手帳を持つことだけで生徒が変わるということはないと思います。さまざまな教育活動があってのことだと思います。ただ、本校の場合、基本的生活習慣を身につけてほしい、つまり自己管理力の育成を第一に持たせましたが、使っているうちに当初の目的だけでなく、人の話を聞く、自己を見つめるなどのこちらの予想を超える使い方をするようになりました。
昨年度手帳を導入しなかった学年と、現2年生は学習態度・生活態度それから進路意識に大きな違いがあります。全体的にモチベーションが高いです。

Q. 「3年生になると『3年生の手帳の使い方』を指導する。」と話されましたが、許される範囲で内容を教えていただけませんか。

今、学年の進路スタッフと話を進めている所です。2年間使ってきて、十分使えていないページがあります。例えば日々の気になるニュースをメモをするページや読書の記録など、志望理由書や就活に繋がるようなページがなかなかなか使えていません。そのページがある意味やその具体的な使い方についてレクチャーできればと思っています。また、毎日の授業予定のところに重要な進路の予定が入ってくるので、手帳をより見やすく、わかりやすく記入するヒントを与え、自分なりの工夫を考え出すよう導けたらと思っています。押し付けではなく、自らが考えるという手立てを与えていくつもりです。

Q. 手帳の活用のほかに、授業の工夫や課外など、学習面に対する工夫などとがございましたら、ご教示ください。

手帳を持たせた第一の目的は基本的生活習慣を身に着けさせる、すなわち自己管理力の育成でしたが、手帳にさまざまな学習活動を書き込むことで生徒の生活の中心を学習にしたいという目的もありました。外部模試に関しては、試験日を手帳に記入させ、そこから逆算していつから対策ワークを始めるかを考えさせています。模試の結果(GTZ)は手帳の中にオリジナルページを作ってあるので、そこに記入し、可視化しています。結果だけでなく、GTZの〇ゾーンとはどういう進路に対応するのかという一覧表も載せています。生徒はDゾーンになると焦ります。
ほかには月例テスト(1年次:国数英 2年次:国数英+一般常識)を実施しています。これは考査と違って、出題範囲も短く、やれば点数が取れるという位置づけのテストで、成績上位者を学年掲示板に発表し、定期的に賞状を渡しています。考査や模試では輝けない生徒でもがんばれば上位に入ることができるのでモチベーション高く学習しています。
課外は検定や希望進路とリンクさせています。課外が増えれば、検定受験者が増えるという相乗効果で、英語は今、2展開で50名~60名ほど受講しています。学年の4人に1人の割合です。検定合格はかなり生徒の自己肯定感を高めます。手帳の資格検定にページに記入することが次へのチャレンジに繋がります。
ほかには家庭学習の習慣化ということで、国数英で、週末課題(月例テストの対策)を出しています。土日にやって、月曜日に職員室前の各クラスのレターケースに時間までに入れます。こういった提出物の管理も手帳活用に繋がっています。授業の提出物などの提出率も100%かそれに近いです。今までの学年の生徒とは違っています。