2021年6月19日(土)実施オンライン研究会 田中淳一先生からのご回答| 株式会社ラーンズ

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2021年6月19日(土)実施オンライン研究会 田中淳一先生からのご回答


ご質問への回答

Q. 試験問題の工夫をさまざまなさっていると伺いましたが、問題を作るときの着想はどのように得ていますか?問題の作り方についてアドバイスいただきたいです。

私のやり方としましては、メインの題材を読み込んで、問題として設定できる部分を先ず考えます。このあたりはやはり入試問題を見ていると、出題ポイントや出題形式の引き出しが増えます。複数資料にする場合は、その題材にリンクする内容を考えたり、調べたりします。
今期末考査を作っていますが、史記の呂不韋列伝が題材なので、秦本紀、秦始皇本紀を読みながら何か結びつけられないか考えています。なければ、呂不韋が子楚を皇太子に据えるときに食客によって信用を得ようとしている場面があるので、食客が出てくる他の漢文を使って中国古代の食客の意味合いを考えさせてもいいかと思います。それもうまくいかなかったら、生徒の会話選択肢問題を作ろうと考えています。
大事なことは、この考査で何を確認したいかですね。今回は3年生の古典の試験なので、夏休み前の基礎知識の確認に重点を置き、その知識を応用して読み取り、解答できるかを測りたいと思っています。また生徒泣かせの問題ができあがるかもしれません。

Q. 実力テスト4月において、2021年出版のもので、これから出そうという文章をお示しになっていましたが、どのように目星をつけていらっしゃいますか。また、普段の授業の「演習」とは、どのような問いを考えさせているのでしょうか。

本屋が好きなので、たまに行って新刊本を眺めています。これと思うものは買っています。
現代文の問題を自分で一から作ってわかったのが、論のまとまりがある程度はっきりしていてテストの長さに切ることができる文章はなかなかないと言うことです。テスト問題に使えるかもしれないと思って買うときには、章立てがはっきりしていて、割合短めにまとめられている本を探して買います。2020年度東大出題の「神の亡霊」は買って途中まで読んでいました。試験にしなかったのが残念ですが。専門用語満載ですと自分が読めないので、まともなテストはできないはずですので買いません。大学入試で頻出なのが世界思想社が年に一度出している「世界思想」というPR誌です。一橋などは何回もこの雑誌から出題されています。かなりタイムリーな社会の事象をテーマに一線の研究者が短くまとめているので、入試問題として出しやすいのだと思います。年に一回もらっています。

演習の問いは大きく分けて2種類かと思います。
入試で問われるような、その部分がどういうことか、その部分はなぜなのかということを書かせます。3年生ではこれがメインになってしまいます。
もう1種類は答えが確定できないことを聞いています。古典などではさまざまな解釈が可能であったり、小説であれば人物の心情であったり。答えが確定できない問は生徒同士で話し合わせています。それを発表してもらい私の考えも付け加えたりします。
1、2年生ではこちらをたえず考えています。以前やったのは小説を読んで、班ごとに読解の選択肢を作ってもらい、別の班に解かせるという授業をやってみました。読みの可能性を探るとともに選択肢問題の考え方にも気づいた生徒が多かったようです。

さいごに

このたびは、私の拙い講演をご試聴頂き、どうもありがとうございました。アンケートを拝見致しましたが、温かいお言葉を多く頂き、力づけられました。先生方の求めるものに十全にお答えできる能力も、経験も持ち合わせておりませんが、一歩でも前に進めるように努力していきたいと思っております。
期末考査の作成、生徒向け東大説明会の問題解説準備、夏休みの講習の題材づくり、保護者向けの入試説明会、3年生の進路説明会、なにより明日の授業と追いまくられています。日々をやり過ごすのに精一杯の状況です。それでも、少しでも意義のあることができれば、自分自身が楽しめるのではないかと思って、行動しているところです。
先生方も、非常にお忙しい中で必死に努力されていることと思います。健康には十分気を付けてお過ごし下さい。

埼玉県立大宮高等学校 田中 淳一