2021大学入学共通テスト 出題の特徴と対策指導のご提案

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2021大学入学共通テスト 出題の特徴と対策指導のご提案

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2021大学入学共通テスト 出題の特徴と対策指導のご提案
2021年度大学入学共通テスト第1日程(2021年1月16日・17日)の出題の特徴と、2022共通テスト対策指導について、ご提案させていただきます。PDF資料では、これまで大学入試センターより発表された、「大学入学共通テスト問題作成の基本的な考え方」、「出題教科・科目の問題作成の方針」なども合わせて掲載しております。
※出題概要の速報(2021年1月25日公開)より、2021年2月4日に記事を更新いたしました。

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2021大学入学共通テスト(第1日程) 出題の概要

出題内容は、従来のセンター試験にくらべて、思考力・判断力・表現力がより重視されたものでした。また、全体として、事実的な知識よりも、概念的な知識の理解を問う傾向が顕著にみられました。

出題形式は、複数の資料や題材、初見の資料、社会や日常生活に関連した題材、学習の過程の場面設定など、多くの資料・題材が用いられ、思考力・判断力・表現力を発揮して取り組むかたちとなっていました。そのため、問題分量も増えて、国語や日本史Bなどを除いて、多くの科目で問題のページ数が昨年のセンター試験よりも増加していました。

以上のことから、これまでのセンター試験にくらべて難化した印象を受けましたが、全体的な難易度は、「国語+数学Ⅰ・A+数学Ⅱ・B+英語」の平均点合計350.09点(600点満点)となっており、昨年のセンター試験より14.15点アップという結果でした。2021共通テストは、内容・形式ともボリューム感がある出題でしたが、導入初年度ということから、受験生にとって、取り組みやすい題材、基礎知識があれば読み取れる資料、判断しやすい選択肢であったと考えられます。

なお、共通テストは、内容・形式とも深い理解やより高度な思考力・判断力を問えるかたちになっており、2022共通テストでは、5~6割相当の平均得点率(難易度)を想定した対策指導が望まれます。

教科・科目名のリンクをクリックいただくと、それぞれの出題の特徴と共通テスト対策指導のご提案資料(PDF)がご覧いただけます。

国語

問題のページ数は昨年より2ページ減りました。異なる種類や分野の文章などを組み合わせた、複数の題材による問題が出され、それらを読み解く力が問われました。

  • 国語
    全体的にはセンター試験を踏襲したかたちで、比較的取り組みやすく、難易度もセンター試験並みでした。 「複数の題材による問題」では、授業内容を理解するために生徒が作ったノートを組み合わせて学習の過程を想定した出題や、小説と批評文を組み合わせた出題がありました。なお、試行調査でみられた条文等の「実用的な文章」は出題されませんでしたが、問題作成の方針によると近代以降の文章(論理的な文章、文学的な文章、実用的な文章)、古典(古文、漢文)といった題材が、一つの題材だけでなく組み合わせたかたちで出題される可能性があるので、引き続き注意が必要です。

数学

問題のページ数は数学Ⅰ・Aで8ページ、数学Ⅱ・Bで4ページ昨年より増えてスピードが求められましたが、問題の内容は比較的平易でした。

  • 数学Ⅰ・A
    解答時間がセンター試験よりも10分長い70分になり、それに伴って文章量や計算量が増えました。2次関数では、100メートル走で、ストライド(歩幅)とピッチ(1秒あたりの歩数)をどのようにしたら速く走れるかを考える問題が出されました。
  • 数学Ⅱ・B
    平均点(中間集計)が昨年から大幅にアップし、近年ではめずらしい60点に近い数値となっています。解答形式では、従来のような数値を答えるものは減り、選択肢から式や文章、グラフを選ぶものが多くなりました。

英語

問題のページ数はリーディングで6ページ、リスニングで10ページ増えて、さまざまな場面を題材にして、実用的な英語力が問われました。

  • 英語(リーディング)
    発音やアクセントの出題がなくなり、全大問が読解問題になりました。素材の語数が大幅に増加しましたが、難易度は昨年のセンター試験並みでした。さまざまなテキストや英文、資料を題材に、概要や要点を把握する力必要な情報を読み取る力などが問われました。「実際のコミュニケーションを想定した場面設定」として、スマートフォンでのショートメールのやり取りや、旅行計画に際してネットで情報収集する際のやり取り、プレゼンテーション資料の作成といった場面が与えられ、知識や技能を実際の場面で活用する力が求められました。
  • 英語(リスニング)
    6大問構成で出題され、6大問中4大問が「1回読み」でした。音声速度は平均で約150語/分と、昨年のセンター試験よりやや速くなりましたが、難易度は昨年のセンター試験並みでした。グラフ、表、ワークシートを使った出題が増え、概要や要点を把握する力や必要な情報を聞き取る力などが問われました。「生徒の身近な暮らしや社会での暮らしに関わる場面設定」として、授業でのワークシートを完成する場面や、4人からアドバイスを聞く場面が与えられました。第6問では、4人の会話を聞き取る問題なども出題され、必要な情報を注意深く聞き取る必要がありました。また、話者には、イギリス人や英語を母語としない人(日本人を想定)も含まれていました。

理科(1)

従来のセンター試験の傾向を引き継ぎつつ、知識の理解と、思考力・判断力・表現力をより重視した出題になりました。生物基礎では、疫病を題材にした分野融合の出題が特徴的でした。

  • 物理基礎
    数値計算を伴う問題がセンター試験より多く出題され、文字式選択問題の出題がなかったことが特徴的でした。解答形式では、会話文中の誤文を選ばせるもの、数値結果を1桁ずつ解答させるものがみられました。ニクロム線(商品ラベル掲載)に発生する熱でペットボトルを切断するという場面設定など身近な題材もありました。
  • 化学基礎
    従来の小問集合形式のほかに、大問形式(比較的長い設問文と、その内容に関するいくつかの枝問が続く形式)の問題が出されました。化学基礎の教科書では扱いのない題材(陽イオン交換樹脂)について、原理を設問文から理解し、化学基礎の知識を活用して解答する問題がありました。
  • 生物基礎
    「科学的に探究を進める過程」では、市販の実験キットを題材に、仮説を検証する実験方法が問われました。「身近な課題等について科学的に探究する問題」では、ワクチンの接種によって感染症が根絶される仕組みを考察する分野融合の問題がありました。その他、「表現力」として、図やグラフを選ぶ問題が増えたことが特徴でした。
  • 地学基礎
    3大問構成で、基本的な知識を問う問題も出題されましたが、思考力を問う問題も多く問われました。天気図から風向きの変化を読み取って、海面の高さの変化を考察する問題や、岩石を題材に、仮説の検証方法について問う問題があり、探究活動も含めた地学の総合的な理解ができているかが問われました。

理科(2)

複数の資料や初見の資料などを多用して、知識の理解や、思考力・判断力・表現力をより重視した出題になりました。題材の読み取りやすさや選択肢の判断のしやすさなどの違いにより、化学と生物との間で平均点(難易度)に開きが生じました。

  • 物理
    ダイヤモンドが明るく輝く理由を与えられたグラフをもとに考察させる問題や、蛍光灯をテーマに電子と水銀原子の衝突について考察させる問題など、日常の題材からの出題がありました。4大問構成で、基本的な知識を問う問題から思考力・判断力を問う問題まで出題され、物理の幅広い理解が求められました。
  • 化学
    5大問構成で、グラフから情報を読み取って考える問題や、教科書で扱われていない反応について、設問文の条件から考えて判断するなど思考力を問う問題が多く出題されました。基本的な知識から計算力まで化学における多様な力が求められました。
  • 生物
    解答数や選択肢数が減少し、また題意の把握や選択肢の吟味が比較的容易な問題が多く、昨年より大幅に易化しました。6大問構成で、多くの大問で分野融合問題がみられました。事実的な知識を問う問題はほとんどみられず、実験観察や資料解析を通じて読解力や考察力、解析力など、総合的な理解が求められました。

地理・歴史

問題冊子のページ数が昨年よりも20ページ増えました。全体的に複数の資料を扱う問題が多く出題され、多面的・多角的に考察する力が問われました。世界史Bでは疫病に関する資料が題材として用いられました。

  • 日本史B
    基本的な知識を問うという従来のセンター試験の傾向をふまえながら、資料の読解力を重視する出題がみられました。写真・地図・絵図など、多様な資料が出題されましたが、その多くは丁寧に読解することで正答にたどり着ける問題でした。中国の諸王朝の領域を並び替える問題や、戦時期の農業政策とその目的について問われるなど、知識を関連付けて理解しておく力や、資料の情報をもとに考える力が求められました。
  • 世界史B
    リード文に文献資料や会話文、グラフなどが使用され、リード文と設問との関連性が大幅に高まりました。また、多様な資料の読解(歴史的思考力)を要する新しいタイプの出題が大幅に増加しました。基本的知識を問う出題もありますが、従来のセンター試験から求められる力が大きく変わりました。史料批判を題材に筆者の見識を読み取る問題では、具体的な出来事を想起する力が求められました。また、二つの資料を比較し、相違点を読み取る力が求められた問題も出題されました。
  • 地理B
    「比較地誌」の大問がなくなりましたが、「比較する」という観点は、同じ国のなかで、州や地域の差異を比較する、国全体のデータと人口最多の都市のデータを比較するなど、設問の観点として具現化されていました。試行調査で特徴的であった「模式図や仮想の図で、条件をもとに論理的に考える」「探究活動の場面設定で仮説を検証する」などの、論理的に考える力を要求する出題がみられました。これまでのセンター試験で求められた思考力に加えて、多様な資料からの情報処理能力と、論理的な思考力が求められました。

公民

問題冊子のページ数が昨年よりも16ページ増えました。全体的に資料を扱う問題が多く出題され、多面的・多角的に考察する力が問われました。

  • 現代社会
    授業など生徒の学習場面がすべての大問で設定され、生徒が模式図など様々な資料を活用しながら学習を進めていくという構成で設問が出題されました。条件に沿って取り壊す建物を選ぶことで民意が決定方法によって左右されることを理解する問題や、買い物弱者問題についての生徒の会話文を読み、生徒の主張の根拠となる資料と、その根拠の正しさを判断する問題が出題されました。
  • 倫理
    第1問で源流思想、第4問で青年期と現代の諸課題が扱われるなど出題分野構成の変更がありました。また、形式は従来のリード文に加えて生徒の会話やレポートなどが増え、資料を扱う設問も多くみられました。生徒同士の歴史の書き方についての議論のあとに、関連する思想家の文章を読んだ生徒の考えの変化を問う問題が出題され、議論の流れや対立する考えを整理したうえで、ベンヤミンの主張の趣旨を読み取ることが求められました。
  • 政治・経済
    基礎的事項の深い理解が求められ、用語の意味の理解だけではなく、学習事項を具体的な事象にあてはめたうえで考察する力を求める問題などが出題されました。義務教育の無償化に関連する学説と最高裁判決の一部を示し、そこから読み取れる考え方に基づいた判断についての正誤を問う問題や、ある国の政治体制の特徴を模式的に示された図のなかに位置付ける問題が出題されました。

2021年 1月25日 公開
2021年 2月 4日 更新


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