ラーンズのマナー講座
現役高校生が秘書検定準1級に合格した理由
株式会社ラーンズ 経営革新室所属。
秘書経験を活かし、現在、数多くの企業や大学,高校,中学校にて,マナー講師として活躍。秘書技能検定をはじめとして,サービス接遇実務検定,ビジネス実務マナー実技検定,ビジネス文書検定等,さまざま資格を持つ,まさに「ビジネスマナー」における第一人者。
中国地方を中心に,講演や研修活動,各団体でマナー講師として活躍中。
私が、秘書検定試験対策の講師をしている岡山県立岡山東商業高等学校から難関の秘書検定準1級試験に2名もの合格者が輩出されました。今回は、合格したお二人への取材記事を、マナー講座の特別編としてお届けします。
左より秘書検定準1級に合格したビジネス創造科3年の曽川さん・林さん
※2014年2月10日取材当時
岡山県立岡山東商業高等学校
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岡山県立岡山東商業高等学校は明治31年に誕生し百十余年の歴史を持ちます。
古くは「県商・一商・二商」などの名で県内外から親しまれ、多くの著名な産業人などを送り出しています。現在では「岡山東」の名前で全国的にスポーツ、文化両面で活躍しています。
岡山東商業高等学校では、3年次の必須科目として「課題研究」があります。
生徒は「秘書実務研究」の他に、「ホテル実習」や「保育園実習」、「資格取得」などの学習カリキュラムから選択することができます。秘書実務研究では、社会人に求められる言葉遣いやマナーなどの「人柄育成」を週2時限の秘書検定対策学習を通して学びます。
1級・準1級・2級・3級の各試験があり、そのうち、準1級は筆記試験合格者のみ最終の面接試験に進む。林さん、曽川さんが受験した第101回準1級試験では、受験者約6300人に対し、最終合格率は27.8%。そのうち、高校生は、準1級試験の受験者約154人に対し、最終合格率は17.5%。
合格者は、社会常識やマナー・接遇スキルを兼ね備えた人材として、秘書実務をはじめ、受付や事務職でも企業の貴重な戦力として高い評価を得ている。近年は、学習で得た素養を就職活動に活かすことを目的に、大学生の受験者比率が高まっている。
「秘書検定」の指導を振り返って
筆記試験の出題には、「社会人として知っていることが当然」とされる一般社会常識に関わる言葉が多用されています。
高校生にとっては、2級の問題でも難易度が高いと思いますが、準1級の難易度はさらに上がります。その上、筆記試験を合格しても、面接試験をクリアしなければ、本合格とはなりません。
今回、お二人の面接試験本番のエピソードをお聞きすると、「鞄を持って面接会場に入室したときから既に面接官の評価が始まっているように感じた」という感想を聞くことができました。
林さんは「かばんを置いてからお辞儀すればよいのか、かばんを持ったままお辞儀をすればよいのか」悩んだそうですが、とっさの判断で、かばんを置いてからお辞儀をしました。この方がより「感じがよい人の所作」になります。細かな所作ですが、彼女たちが、課外時間を使って真剣に取り組んだ面接練習の成果の一つだと思います。
私は「合格」という結果を心から喜んでいますが、それよりも、秘書実務研究の授業で積み重ねてきた成長を実感できたことを最も嬉しく感じています。
最後の面接練習に学校を訪れた日は、私の到着前にスリッパがきれいに揃えられていました。そして、部屋に入ると、すでに、丁度良い暖房が効いていて、すぐに面接練習にとりかかれるように整えられていました。
彼女たちは、人をお迎えする準備が、自然にできるようになっていたのです。練習を終え、学校を後にするときも、私が見えなくなるまで見送ってくれていました。私がすべてを教えた訳ではありません。秘書検定受験にチャレンジするプロセスで、「お客様に心地よく感じていただくには何をすればよいのか」を場面に応じて判断できるまでに彼女たち自身が成長したのです。
お二人とも進学後、1級にチャレンジするそうです。
ぜひチャレンジして、さらに素敵な社会人になってほしいと願っています。
私自身も、お二人の後に続く生徒のために、「おもてなし」の気持ちを育み、その気持ちを所作で表現できるよう、学校そして生徒への支援を続けていきたいと思います。
Special Movie
面接試験の練習の様子を曽川さんに見せていただきました。(動画:約2分)
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