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試行調査数学Ⅰ・A

「数学Ⅰ・A」大学入学共通テスト 試行調査 出題内容の分析

「数学Ⅰ・A」大学入学共通テスト 試行調査 出題内容の分析

この情報は2018年11月19日時点のものです。

「数学Ⅰ・A」の大学入学共通テスト 試行調査(プレテスト)の出題内容の分析です。
平成30年11月に実施された、大学入試センター「試行調査(平成30年11月実施分)」の問題分析結果をレポートいたします。


出題内容の特徴と構成

「数学Ⅰ・A」の特徴

  •  大問構成は現行のセンター試験と同じであったが、数多くの中問で構成されており、多くのテーマに取り組む必要がある。
  •  数学Ⅰから記述式設問が3問出題。解答方法は前年の試行調査より簡略なものとなった。
  •  日常事象の課題解決や探究活動の場面が設定され、数学を活用する力が求められた。
  •  問題文の分量は依然として現行のセンター試験より多いものの、前年の試行調査と比べるとやや減少した。また、問題の最終設問の難易度は高い。

大問構成

「数学Ⅰ・A」
第1問で知識技能を、第2問以降で思考力を中心に問う問題構成になっている。第1、2問では中問ごとにテーマ設定されていて、配点比重は柔軟になっている。記述式問題は3問出題され各5点である。数学Aの選択形式については、現行のセンター試験と変化はない。


出題内容の分析

第1問[4] 図形と計量

【問題内容】
正弦定理の学習場面において、三角形の形状に応じた証明の構想を立てる問題。

【求められる力】
鋭角三角形、鈍角三角形での証明において、直角三角形の場合に帰着させる構想力が問われている。教科書で扱われる内容であるが、補助線を引いたりすることにより構想を立て、問題を解決するための見通しを立てる力が求められている。


第2問[1] 2次関数、図形と計量

【問題内容】
三つの動点からできる線分や三角形について、変数を自ら設定し、長さや面積の変化を考察する問題。

【求められる力】
動点が動く「規則」を読み取り、変化の本質を見極める力や、考察過程を振り返り問題を統合的に考え、数学的に表現する力が求められている。


第4問 整数の性質

【問題内容】
天秤ばかりを用いて物体の質量を2種類の分銅の組み合わせで量ることを通し、二元一次不定方程式の整数解について考察する問題。

【求められる力】
事象の特徴をとらえて解決の見通しを立てる力、解決過程を振り返りながら得られた結果を批判的に検討し、見出した事柄を既知の事項と結び付け、概念を広げたり深めたりする力が求められている。


第5問 図形の性質

【問題内容】
三角形の各頂点からの距離の和が最小になる点(フェルマー点)を題材にして、授業の場面設定において図形的な考察を深めていく問題。考察の前提となる図形的性質についての証明の構想や、特定の設定下での証明を一般化するという展開である。

【求められる力】
証明の方針を立てる構想力や、得られた結果を基に推論していく力が中心に問われている。また、特定の場合の結論を批判的に捉え、一般化していくという、体系的に考察する力も求められている。


記述式問題 一覧

【問題内容】
前回の試行調査では、記述式問題の正答率が低く無回答率が高かったことを踏まえ、第1問〔1〕、〔2〕のように数式のみを記述させる問題や、第2問〔1〕のように短い文章で端的に記述させる問題など、記述方法が単純なものとなり、記述量は大幅に減少した。

【求められる力】
第1問〔1〕のように、記述する内容は単純であるが、記号を正しく表記する必要があり、普段の学習において正確に記号を書いたり、誤解のない表現を心掛けることが求められる。


記述式問題 解答用紙

前回の試行調査よりも、記述量に対する解答欄の大きさは適切なものになった。



記述式問題 解答結果の確認表

・記述式問題については、「解答結果の確認表」で自己採点後に回収され、検証される。
・「解答結果の確認表」では正答例と、留意点で誤答例が示された。前回の試行調査では誤答例はほとんど示されていなかった。
・自己採点を正確に行うためには、何を記述したか、ポイントをメモしておくことが大切になる。


分析まとめと今後の指導に向けて

分析まとめ

「数学Ⅰ・A」
・記述式問題(数学Ⅰ)については、数式のみ、あるいは短文で端的に記述することが求められた。
・「~のうちからすべて選べ」という、正解の個数がわからない多肢選択方式が出題され、問題の本質を理解しているかどうかが問われた。
・「数学の事象」や「日常生活や社会の事象」といった事象の考察や、現実に起こり得る課題に対する解決がテーマの出題であった。
・授業における生徒同士の対話やコンピュータのグラフ表示ソフトを活用した考察など、授業や探究活動の場面などが設定されている。また、事象や条件の説明のためのリード文が存在して文章量は多く、その中から必要な情報を的確に取り出すことができる読解力が求められた。
・問題解決に向けて「構想を立てる」ことに焦点を当てた問題では、数学的な見方・考え方をもとに、問題解決に向けた構想力、見通しを立てる力が問われた。


今後の指導に向けて
「数学Ⅰ・A」
・日々の授業における言語活動において、疑問を投げかけて批判的に検討したり、間違いを通して理解を深めたり、他者の意見や別解から見方・考え方を広げ深めたりすることが求められている。
・探究的な活動で構想力を養成したり、限定的な設定における考察を段階的に一般化するような考察も求められている。このような考察は、正弦定理の証明などのように、定理・公式を学ぶ場面でも実践できる。
・授業における日常事象の課題解決や探究活動を通して数学を活用する体験を増やしたり、定期テストや課題の中で日常事象や探究活動を取り扱うことにより、条件や規則を的確に読み取る読解力を養成することが求められる。

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