研究会レポート(手帳)『今未来手帳の有効な活用を通して生徒の成長を考える会』

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2021年8月27日開催 研究会レポート(今未来手帳)
『今未来手帳の有効な活用を通して生徒の成長を考える会』

2021年8月27日(金)、2021年度版の今未来手帳をご採用いただいた学校の先生を限定でご招待し、「今未来手帳の有効な活用を通して生徒の成長を考える会(今未来手帳ユーザー会)」をオンラインで開催いたしました。
ファシリテーターに岡山大学全学教育・学生支援機構(教育方法学)の中山芳一准教授、パネリストに札幌山の手高等学校の佐藤革馬先生、岡山県立岡山一宮高等学校の梅田和男先生、筑紫台高等学校の毛利孝広先生をお招きしましたので、その内容についてレポートいたします。

研究会の詳細

ファシリテーター紹介

中山 芳一(なかやま よしかず)先生
岡山大学全学教育・学生支援機構(教育方法学)。
岡山大学全1年生必修の初年次キャリア教育を提供。コミュニケーション能力に関する授業や正課外活動支援も担当している。2018年11月に発刊された著書『学力テストで測れない 非認知能力が子どもを伸ばす』(東京書籍)は、1年余りで五版に至っており、全国の産学官民の機関から講演や委員就任の依頼が引きも切らない。2020年6月には続編として 『家庭、学校、職場で生かせる!自分と相手の非認知能力を伸ばすコツ』(同)も発刊。さらに、2021年5月にはドラマ「ドラゴン桜」の脚本を監修した現役東大生の西岡壱誠さんとの共著、 『「ドラゴン桜」に学ぶ東大メンタル』(日経BP社)を発刊。『ドラゴン桜』 に学ぶ4つの非認知能力の一つとして「メタ認知」について掲げている。

パネリスト(学校)紹介

佐藤 革馬(さとう かくま)先生
学校法人西岡学園 札幌山の手高等学校 学年主任。
・特別進学コース、進学コース、体育コース、総合コース。
・過去5か年合格実績…東北大学、筑波大学、中央大学など道内外の国公私立大学。
・2020年Y-システム(学校の授業+放課後の個別指導)開始、2014年ユネスコスクール認定。
・東京2020オリンピック女子バスケットボール日本代表にOB3名選出。
・2021年度より進学コース・特進コースにおいて今未来手帳定型版を導入。生徒一人一台のタブレットと手帳の、デジタルとアナログの使い分け。

梅田 和男(うめだ かずお)先生
岡山県立岡山一宮高等学校 学校長。
・普通科、理数科。
・2021年度入試合格実績…大阪大学、岡山大学など国公立大学194名、ほか慶応大学など私立大学多数。
・全教職員の指導体制を確立したSSH、ユネスコスクール認定、SDGsの達成に向けた探究活動を充実、各教科の授業にも探究型学習を導入。
・2016年度より全校でカスタマイズ版を導入し、メタ認知力向上に向けた活用を推進中。

毛利 孝広(もうり たかひろ)先生
学校法人筑紫台学園 筑紫台高等学校 生徒育成部生徒会係長。
・普通科、総合学科、工業科。
・過去3か年合格実績…名古屋大学、九州大学、西南学院大学など県内外の国公私立大学。
・授業において生徒全員がタブレットを活用。
・2014年度より全校でカスタマイズ版を導入、大学入試改革機運が高まる前から全校でのポートフォリオとしての活用にも取り組む。

研究会

研究会 今未来手帳の有効な活用を通して生徒の成長を考える会
~今未来手帳ユーザー会~
ファシリテーター 岡山大学全学教育・学生支援機構(教育方法学)
中山 芳一先生
パネリスト 佐藤 革馬先生
梅田 和男先生
毛利 孝広先生
日時 2021年8月27日(金)17:00~19:00
対象 2021年度版今未来手帳をご採用校いただいた学校の先生
開催形式 ZoomでのLIVE配信

研究会レポート

講演の主な内容

  • 事例紹介1:学校法人西岡学園 札幌山の手高等学校/学年主任 佐藤革馬先生
  • 事例紹介2:岡山県立岡山一宮高等学校/学校長 梅田和男先生
  • 事例紹介3:学校法人筑紫台学園 筑紫台高等学校/生徒育成部生徒会係長 毛利孝広先生
  • パネルディスカッション:アナログを辞めない理由とは

事例紹介1:学校法人西岡学園 札幌山の手高等学校/学年主任 佐藤革馬先生

デジタルとアナログの両輪で「できない」が「できる」に変わる。

最初に、札幌山の手高等学校の佐藤先生に同校でのご指導事例をご紹介いただきました。

札幌山の手高等学校では、2021年1月に1年特別進学コースで、同年4月には2年進学コースで手帳指導を開始されました。佐藤先生は、これまで赴任してきた学校での手帳指導なども踏まえ、環境づくりが大切だとお感じになられ、できるところから始める決意をされたそうです。
無理のない範囲で記入した手帳をタブレットで撮影し、クラウド型授業支援・協働学習ツールで提出してもらうことで、生徒・教員の両方にとっての負担を減らしたそうです。

生徒のキャリア発達を促す取り組みは、生徒と教員でその「ねらい」を共有することが大事だとお話になられた佐藤先生。札幌山の手高等学校では、「セルフコントロール(自己管理)能力」と「タイムマネジメント(時間管理)能力」の2つのスキルを高めることが大事であると、教員が生徒に対して繰り返し伝えているそうです。

また、「メタ認知能力」を高めるために、日々の振り返り活動を重視されています。今未来手帳で、アナログの良さを再発見させることができ、生徒たちの将来の振り返りにもつなげられるとお感じになられているそうです。
アナログの今未来手帳は「いつでも・どこでも」「記憶」するツールとして、デジタルのクラウド型授業支援・協働学習ツールは教員・生徒間で「共有」するツールとして使用しているとお話しいただきました。

「何を使って、何をねらいに、何をさせるのか」ということを明確にすることで、生徒の変化・成長につなげていきたい。そのために、日々ブラッシュアップしている、と佐藤先生は締めくくられました。

事例紹介2:岡山県立岡山一宮高等学校/学校長 梅田和男先生

「探究型教育」を未来に繋げる「Mirano(未来ノート)手帳」。

続いて、岡山県立岡山一宮高等学校の梅田先生に同校でのご指導事例をご紹介いただきました。

まず、学校の目指している生徒像と教育方針、その目標についてお話しいただきました。岡山一宮高等学校は、SSH指定校やユネスコスクール認定校でもあり、岡山県内で唯一理数科2クラスを有している学校で、「社会的課題の解決に貢献できる人材」の育成を目指しています。

そのための取り組みとして、すべての授業で「探究型」を目指しており、その「探究」した学びを「繋げる」ために「今未来手帳」を活用していると梅田先生はお話になられました。

一宮高等学校では、今未来手帳を「Mirano手帳」と呼び、一日・一週間・一か月単位の振り返りに、手帳を活用されているそうです。その振り返りの中で、「メタ認知能力」を向上させるという目標をもって、「何ができるようになったのか」などを生徒たちに意識させているとお話しいただきました。

また、今年度から一宮高等学校では、デジタルツールとしてPCを使用しています。仲間とのつながりや学校外の人とのつながりについては、デジタルも活用しながら探究心を深めてほしいと、梅田先生はお考えになられているそうです。

現在も一宮高等学校の生徒は、コンテストや学会発表、大学や海外の学生との実験などを通じて学校外の人と接することも多いそうです。
梅田先生は、これからも学校外の人とのつながりをいかし、「探究心」を深めつつ、「自分はこれまで何ができるようになったのか」をアナログな手帳で振り返りながら「メタ認知能力」を向上させ、未来の人材育成に繋げていきたいとお話になられました。

事例紹介3:学校法人筑紫台学園 筑紫台高等学校/生徒育成部生徒会係長 毛利孝広先生

手帳から伝わる生徒の「サイン」。変化・成長を見逃さない姿勢を大事に。

最後に、学校法人筑紫台学園筑紫台高等学校の毛利先生に同校でのご指導事例をご紹介いただきました。

筑紫台高等学校では、「筑『紫』台高等学校の生徒が常に『輝』き続けたい」という願いを込めて、今未来手帳を「紫輝(しき)手帳」と呼んでいます。「紫輝手帳」は、平成27年度に完成しました。

正直、最初は使い方が分からず戸惑ったという毛利先生。しかし、紫輝手帳を使用しながら、先生ご自身も手帳について学ばれ、学びを発信していくようにされたそうです。さらに、生徒が変化・成長していく姿を見て、徐々に手帳の良さを実感され、次第に生徒の方からも手帳に関する要望が出始めたと毛利先生はお話になられました。

一年間の手帳使用を通して、「クラスの安定につながってきた」ともお感じになられた毛利先生。クラスによって使用方法は変わるものの、生徒は自主的に手帳に記入しているそうです。

毛利先生が心掛けたことは、手帳を一週間に一度確認し、生徒からの「サイン」や、生徒の変化・成長を見逃さないようにされたことです。その上で、生徒へのアドバイスなどを手帳に書き込みました。最初は書くことを嫌がっていた生徒も次第に慣れ、手帳記入が苦にならなくなってきたそうです。

また筑紫台高等学校でも、全生徒がタブレットを所有しているため、それで生徒・教員間のスケジュール管理や学習時間のやり取りなどもしています。
ただ、毛利先生は、ICT化が進んでも「書く」という行為はなくならないとお感じになられており、アナログ・デジタルの良さをいかしながら使い分けていきたいと締めくくられました。

パネルディスカッション:アナログを辞めない理由とは

各校からの事例のご紹介後は、中山先生と三人の先生方でパネルディスカッションを行いました。その中の一部をお伝えします。

「アナログの持つ不変の良さ」を残し、デジタルと併用する。

中山先生
ICTの活用が進み、先生によっては「アナログはいらない」というようなお考えもあると思います。今未来手帳のような「アナログ」を辞めない理由というのはどのようなものでしょうか?
先生方がお感じになられているアナログ手帳の持つ良さを改めてお聞きしたいと思います。
毛利先生
「書く」という作業自体はなくならないですし、私は書く作業によって頭を整理できるのではないかと考えています。逆にタブレット(デジタル)の良いところは、「データ化」や「グラフ化」が容易なところなので、どちらも良いところは使えばいいのではないかと感じています。
中山先生
先ほど、佐藤先生が「いつでも・どこでも」記録できるのがアナログの今未来手帳の長所とおっしゃっていましたよね。
佐藤先生
手で何かするということ自体が自然な行為だと思います。やったことを振り返ると、「あの時こう書いたから」と思い出す良さもあるのではないでしょうか。そして、「いつでも・どこでも」手帳は開いてぱらぱらとめくるだけで、時間経過についてもよくわかる気がします。デジタルとアナログは目的を分けるべきで、これからもアナログの良さは残したいと感じています。
梅田先生
「書く」ということに関する良さは、私もお二人の先生がお感じになられていることと同じ思いです。記憶の定着にも役に立ちますし、月をまたいでの振り返りも容易です。また3年間で3冊の手帳がたまります。3冊を通してみると、1年生の自分と今の自分の違い、できるようになったことなども明確に分かりやすい。またいろいろな場面で嬉しかったことやできるようになったことを記録し、あとで振り返ることで、「メタ認知能力」をつけながら「自己肯定感」も高まっていくのではないでしょうか。
中山先生
アナログの本は、実際に厚みがありそれを手に取ってめくるだけでリアルな3D体験ができる。それは本がなくならない理由の一つで、先生方のお話をお聞きしている中で、手帳も同じではないだろうか感じました。

この後の第二部では、ご参加の先生も交えての情報交換会を実施し、ご登壇の先生を含めて交流いただきました。
ラーンズでは今後も教材をご採用いただいている先生に向けた様々なユーザー会を企画してまいります。

研究会を終えて

本研究会にご参加いただいた先生方からご感想をいただきました。

導入校の声
四国地区
M高等学校
I先生

それぞれの先生方の想いや、その学校に合った活用法があるので、ある意味、我々教員にとっての探究活動であるとも考えられます。活用事例と抱える問題をシェアすることは大いに意義があると思います。このような会はまさに教員が学ぶことができる絶好の機会です。今後ともよろしくお願いします。


2021年8月 取材
2021年9月17日 公開

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