研究会レポート(英語)『2023大学入学共通テストに求められるチカラとは』

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2022年6月25日 開催 研究会レポート(英語)
『2023大学入学共通テストに求められるチカラとは』

2022年6月25日(土)、島根県立松江北高等学校講師、米子東高校「志学館」講師・八幡 成人先生をお招きし、オンラインにて「2023大学入学共通テストに求められるチカラとは」を開催いたしました。ご講演の内容をレポートいたします。

研究会の詳細

講師紹介

八幡 成人先生
島根県立松江北高等学校・鳥取県立米子東高等学校「志学館」。
英語教師として島根県公立高等学校に39年間にわたり勤務。2015年3月、島根県立松江北高等学校に10年間勤務したのを最後に退職。在任中は、朝は6時半に登校し、図書館で生徒と一緒に勉強に励む。 「ABC」(当たり前のことをバカになってちゃんとやる)、「散歩のついでに富士山に登った人はいない」、「やりっ放しにしない」を大切にしながら指導に取り組む。 『ライトハウス英和辞典』『ルミナス英和辞典』(研究社)の編集委員を務める。現在は、島根県立松江北高等学校講師、米子東高校「志学館」講師。

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研究会 2023大学入学共通テストに求められるチカラとは
~大学入学共通テストの振り返りと指導事例のご講演~
講師 島根県立松江北高等学校・鳥取県立米子東高等学校「志学館」 八幡 成人
日時 2022年6月25日(土)15:30~17:10
対象 2023大学入学共通テストをご指導される高等学校の先生
開催形式 ZoomでのLIVE配信

研究会レポート

講演の主な内容

・英語は絶対に裏切らないABCの生き方
・2022年の共通テストの振り返りと課題
・八幡先生が心掛けている指導・実践例
・八幡先生メッセージ ~努力は夢中に勝てない~
・質疑応答

英語は絶対に裏切らないABCの生き方

八幡先生から繰り返しお伝えいただいている「ABC」は、「当たり前のことをバカになってちゃんとやる」の頭文字です。ABCで頑張っていけば結果はついてくる、英語は絶対に裏切らない、ということが長年英語を指導されている八幡先生の実感だとお伝えいただきました。

それを表すように、共通テストの結果と、進研模試やマーク模試の結果との相関係数は高いそうです。また『直前演習』についても共通テストとの相関を取っていて、毎年0.9前後となっているそうです。本番に直結した良い問題ではないか、とご紹介いただきました。

より上手に進研模試等を活用する方法は、間違いの多かった問題から『ヨマイの法則』(「読み取り、学び、活かす」の頭文字)で、模試も演習もやりっぱなしにしないことが大事だそうです。結果が出ている学校を見ると、生徒がどこで躓くかを詳細に分析しているとお話しいただきました。

2022年の共通テストの振り返りと課題

必ず目を通しておいていただきたいもの

八幡先生は、大学入学共通テストは、英文を理解したうえで活用して解答する問題が出題されていて、非常によくできた問題だとお感じになられているそうです。

共通テストを知る上では、前回もお話しした『問題作成方針』、そして試験後に作成される『大学入学共通テスト問題評価・分析委員会報告書』には必ず目を通していただきたい。これを読むと、非常に色々なことが見えてくるそうです。また、毎回お伝えしている『追試問題』も来年度の出題が予測できる大切なものなので、ぜひ見ておいてほしいとお伝えいただきました。

時間を意識した演習を

今回の共通テストでの総語数は500語以上増えましたが、時間は変わらず80分で解き切らなければなりません。時間不足が多くの生徒にとっての悩みではないでしょうか。最後まで解ききれない理由は、『語彙力不足、文法力不足、形式への慣れ不足、時間配分意識の希薄さ』だそうです。大問にどれくらい時間を使うか、日ごろから時間を意識して対策(演習)すると良いとお伝えいただきました。

共通テストでは、読解の素材文や出題形式は多岐にわたっており、パターン化は避ける傾向にあるそうです。つまり、小手先のテクニックでは通用しないので、正しい対策・指導をしなければいけないとお話しいただきました。

八幡先生が心掛けている指導・実践例

これまでの共通テストの出題も踏まえて、共通テストの英文読解問題に必要な力は、「(1)早く正確に英文を読み解く力、(2)本文と選択肢を比較対象する力、(3)根気強く、1と2を続ける集中力」の3点だとお伝えいただきました。

その具体的な実践例として6つの方法をご紹介いただきました。

1つ目は単語力を鍛えること。丸暗記ではなく知的に反復し発音を頭に焼き付けることが大切だそうです。八幡先生の授業内での実践方法などもご紹介いただきました。2つ目は精読の習慣をつけること。精読が速読につながる150wpmが目標だそうです。3つ目は、音読の習慣をつけること。音読が遅い生徒は黙読も遅いので、まずは音読のスピードを上げることが大切だということです。

4つ目は、読解+リスニングのリンク指導です。両者を行き来しながら学習すると効果的だとお感じになられているそうです。5つ目は、問題形式に慣れること。共通テストでは新しい形式が増えています。効率的な解き方を学ぶために、演習や模試の活用も欠かせません。

そして6つ目は、知識への好奇心をつけること。日頃からアンテナを高く張って新聞、読書、講演、ネットで知識を吸収していくことが大事だそうです。八幡先生は、今年の共通テストを見て特にこの6つ目を強くお感じになられたそうです。

他にも、英文を正しく読み解くための文法の必要性や、自己採点の重要性なども細かくお伝えいただきました。特に自己採点では、2点間違いから9,000番以上差が出ることで、「正しい手順を踏み、点検を複数回する」などを、最初に徹底して生徒に教えておくべきだと強調してお伝えいただきました。

八幡先生メッセージ ~努力は夢中に勝てない~

『1.01と0.99を1年間続けるとこの小さなの差がものすごい差になるということは、子どもたちには言い続けていきたい話です。それと同時に、「努力は夢中に勝てない」と感じます。「夢中>好き>努力>義務」で、義務感でやっていることは伸びません。努力では、好きには勝てません。そして好きでは夢中にかなわない。早く夢中になれることを見つけたものが勝ちだと感じています。私も子どもが夢中になれるような指導を心掛けていきたいです。』と熱い言葉で締めくくられました。

質疑応答

参加された先生方からお寄せいただいた質問に時間の許す限り答えていただきました。

Q. 共通テスト本番で8割以上得点するための低学年時指導をお聞きしたいです

やはり単語力(語彙力)が第一だと思います。低学年のうちから単語力をつけておくと三年次の指導が楽になります。また、各大問への慣れも大事です。慣れるためには、問題の解き方を生徒に少しずつ教えていきながら演習をしていくと良いと思います。

Q. 授業時間の使い方を具体的に教えてください

週に一度共通テストの時間を設け、生徒には時間を意識させながら問題を解かせていきます。そして解答し詳しい解説をします。生徒が特に間違えるところは明らかなので、そこに重点を置き、生徒に注意喚起をするとよいと思います。また、ただ解かせるだけではなく、「ヒント」や「注意点」なども伝えています。

Q. 共通テスト対策と二次対策とのバランスをどのように取りながら指導していますか?

4月から週に一度、共通テスト対策の教材をしていました。そこでは、大問一問ずつ解き方のポイントを指導していました。そして、約二か月で終わり演習に入っていきます。並行して授業では精読に時間を充てていました。難しい英文を悪戦苦闘しながらじっくり読ませるのは、二次にとっても非常に勉強になると思います。

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2022年 6月25日 開催
2022年 8月22日 公開

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