【高校数学教育】真の数学力をつけるための指導

ラーンズのプロフェッショナル・トーク Vol.2

【高校数学教育】真の数学力をつけるための指導

プロフェッショナル・トーク

毎回、各教科のスペシャリストを招いて、対談やインタビュー形式で様々なテーマについて「プロフェッショナル」たちの熱い声をお届けする、ラーンズの連載企画。
今回は、滝川学園中・高等学校の服部修三先生を招き、お話しをうかがいました。
服部 修三

服部 修三(滝川学園中・高等学校)
兵庫県立長田高等学校、兵庫県立北須磨高等学校などで学年主任、進路指導部長などを歴任、文科省検定高等学校数学教科書執筆。同校4年目。難関国公立コース担任。



苦手を克服させる方法

【高校数学教育】真の数学力をつけるための指導

ラーンズ
 すべての生徒が、数学が得意というわけではないと思います。また、分野によっては、多くの生徒が苦手とするところもあると思います。先生はどのような指導方法で、生徒の苦手を克服させているのでしょうか。

服部
 例えば,計算練習は,特別なプリントを作って集中して演習をさせています。1年生でしたら、2次関数の平方完成があります。これは徹底してやらせます。できなければ放課後に残してでもやらせます。指数計算や対数計算も同じです。高校数学で計算力は大切ですから、基礎的な計算は繰り返しさせます。問題数が足りなければ、補充プリントをどんどん作ってやらせます。このようにさせて、生徒に計算力をつけさせ、苦手を克服させています。

ラーンズ
 計算力は、九九と同じように何度もさせるということはわかりました。では、計算問題よりも難しい問題はどのようにされているのでしょうか。

服部
 例えば、2次関数の最大・最小の問題は、毎回の定期考査に何らかの形で出題するようにしています。三角関数や指数・対数関数と融合させるなど、最後に2次関数の問題に帰着させるようにして出題しています。このように、重要な内容は、提示の仕方を変えながら定期考査に入れることで、定着するようにしています。
 結局は繰り返しになるのですが、全く同じことを繰り返すのではなく、提示の仕方を少し変えて、微妙な変化をさせながら重要性を浮き彫りにするといった手法で、理解を深めさせるように努めています。


真の数学力をつけるために

【高校数学教育】真の数学力をつけるための指導

ラーンズ
 教科書を進めている時は、演習時間がかなり足りないのではないかと思っています。定着させるには問題を解かないといけないと考えているのですが、例えば、長期休暇の課題はどのようにされているのでしょうか。

服部
 長期休暇に出す課題は、それまでに学習した内容を復習させる内容としています。ただ、長期休暇の課題の量については注意が必要です。他の教科の課題もあるわけですから、いたずらに量を増やすと、生徒は意欲をなくします。私は、問題量を考慮しながら、おもに参考書の問題から課題を作っています。

ラーンズ
 傍用問題集を課題として、同じ問題を2回させるという方法を伺ったことがあります。先生は,これをどう思われますか。

服部
 私は、そのやり方をしていません。定期考査のときに調べたのですが、傍用問題集をテスト前に2度、3度とする生徒がいました。私は,傍用問題集は、定期考査のときにそう活用することを薦めています。したがって、長期休暇用の課題は、傍用問題集とは別の問題を与えたほうがよいと考え、参考書などから作っています。

ラーンズ
 長期休暇の課題のことはわかりました。では、数学T、A、U、Bの教科書が一通り終わった後はどのようにされているのですか。

服部
 理系はそのまま数学Vに進みます。文系は入試問題の過去問で演習をします。まずは、生徒のレベルにあった易しめの問題集を2年生の春休みから3年生の1学期にかけて使います。その後、レベルアップした問題集に進みます。

【高校数学教育】真の数学力をつけるための指導

ラーンズ
 2冊使われるのですか。そうしますと、全問解く時間はないと思われるのですが。

服部
 全問は解けませんから、解く問題をピックアップします。残りの問題は宿題にします。11月頃までこのような演習をして、その後センター対策を行います。

ラーンズ
 最初からマーク式の問題で演習をしない理由は、なぜですか。

服部
 私は、センター試験で高得点を取るためには、記述式の問題でしっかり勉強しないとだめだと考えています。なぜなら、センター試験は時間との戦いです。的確に問題の全体像を把握して、その問題の解答の流れ、考え方の流れに沿ってすばやく答えていく必要があります。だから、普段から記述式の問題で練習して、問題に対する切り口の見つけ方、解法の自然な流れの感覚を身につけておくことが必要だと思うのです。確かに、センター試験特有の解答の仕方もあるでしょうが、それはあくまでも直前の練習でよくて、それまでは記述力を養うべきだと思います。

ラーンズ
 センター試験でのみ数学が必要という生徒に限っては、最初からマーク式の問題でしっかり演習をさせたらよいのではというご意見を伺ったことがあります。先生は、この考え方はどのように思われますか。

服部
 私は、その考え方に賛成できません。それで、問題を解く力がつくでしょうか。何でもそうだと思うのですが、目標を定めてそれに到達しようと努めても、結局は目標に到達することはなく、それより下に甘んじる場合が多いのではないでしょうか。やはりセンター試験より少し上のレベルの問題をやってこそ、センター試験を制することができるのだと思います。
 ちょっと上の問題を解かないと、高得点は望めないと思います。

2014年3月10日 公開


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