「国語」大学入学共通テスト 試行調査 出題内容の分析
「国語」の大学入学共通テスト 試行調査(プレテスト)の出題内容の分析です。
平成30年11月に実施された、大学入試センター「試行調査(平成30年11月実施分)」の問題分析結果をレポートいたします。
「国語」の特徴
- 記述(論理的な文章)+マーク(実用的な文章・論理的な文章、文学的な文章、古文、漢文)の5大問構成。
- 文学的な文章では、小説ではなく詩とエッセイを用いた出題。
- すべての大問で複数のテクストを用いた出題が見られ、情報を統合して考える力が求められた。
「国語」
従来から問われていたテクストの内容を的確に読み取る力に加え、設問で示された条件に沿って考えを表現する力も問われた。
第1問 記述式問題
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【問題内容】
【資料】で触れられている例示について、【文章Ⅰ】【文章Ⅱ】を参考にして説明する。
テクストを踏まえ、条件として提示された目的等に応じて、必要な情報を比較したり関連づけたりしてテクストに対する考えを説明することができる。
第2問 論理的な文章
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【問題内容】
条件として示された場面設定(ポスターを作成すること)に応じて、情報を統合して掲載する内容を適切に判断する。
テクストに含まれている情報を統合したり構造化したりして、内容を総合的に解釈し、テクストに対する考えを説明することができる。
記述式問題解答用紙
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自己採点を正確に行うために、何を記述したか、ポイントをメモしておくことが大切になる。
記述式問題 正答例、正答の条件、段階別評価
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・正答の条件を全て満たしている解答の例が複数挙げられている。
・満たしている正答の条件に応じて各小問における段階が決まり、3小問それぞれの段階によって「総合段階」が決まる。
・自己採点を正確に行うために、何を記述したか、ポイントをメモしておくことが大切になる。
「国語」
・第1問の記述式問題では論理的な文章を含む複数の資料が扱われ、探究レポートを書くにあたって文章を読んでまとめる場面が出題された。二つの文章を関連づけながら内容を把握したり条件として示された目的に応じて記述する力が求められた。
・第2問のマーク式問題では、実用的な文章(広報の文章・法的な文章)と論理的な文章が扱われ、各資料の内容を正しく読み取る力や複数の資料を関連づけて設問の条件に合わせて捉える力が求められた。
・第3問のマーク式問題では、同一の作者による詩とエッセイが扱われ、双方を関連づけながら書き手の心情や意図、構成や表現の特徴について問われた。
・第4問、第5問の古典領域では、従来も出題されていた知識・技能の定着を確認する設問や複数テキストの読み取りを求める出題が見られた。
マーク式問題では従来も問われてきた知識事項が引き続き問われることから、知識・技能の確実な定着が必要である。
記述式問題・マーク式問題を問わず、内容把握が前提になることから、基本としてテクストを正しく読み取る訓練が必要。
複数テクストの比較・検討や、情報の抽出、条件に応じて記述する力が求められることから、今後はより一層の課題解決型学習や生徒の主体的学びを促すような取り組みにより、情報を関連づけて考えを形成する力の育成が重視されるようになると思われる。
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読解力を着実に養うことができます
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