Classi × 今未来手帳

2018年9月29日に東京・大阪で「Classi×手帳でポートフォリオを」を開催しました。
老谷錬太郎先生に、今未来手帳とClassiの活用事例について、ご講演頂きました。
研究会 テーマ
・Classiの機能と活用について
・受験指導での活用
・Classi × 今未来手帳

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老谷錬太郎先生
多摩大学目黒高等学校 教諭。1982年三重県四日市市生まれ。
担任兼数学科教科主任。明治大学理工学部数学科卒業・大学院修士課程修了。多摩大学目黒高等学校に13年にわたり勤務。 10年近く特進クラスの担任を務め、進学実績を大きく伸ばした。学校全体の取り組みを主導する⽴場での教諭としても活動している。
Classiの機能と活用について
老谷先生:
Classiの機能の中で、主に「生徒カルテ」を使っております。生徒カルテというのは、主に生徒の成績管理が出来るものです。進研模試の結果を一覧で見ることが出来ます。学校の定期考査、小テストの結果なども見ることが出来ます。週に3日、朝のSHRで英語の単語テストの結果も一覧で見られますし、保護者の方も自分の子どもの結果を見ることが出来ます。
過去の模試のデータなども簡単に見られるので三者面談でもipadを持って行くだけで済みます。その三者面談で話した結果というのを生徒メモに残します。生徒メモに残しておくと、学年、担任が変わるときの細かい引継ぎが可能になります。
私も1日5件とか三者面談をすると、手帳に殴り書きになってしまって、後で見ると分からなくなってしまうことも多かったのですが、生徒メモを必ず残すようにしてからは、自分のためにも次の担任の先生のためにもなっています。
1年目、生徒には強制的に朝のHRで活用させています。「見ました」押してないよとか、学習記録しっかりと入力してねとか、そういう指導を4月5月で徹底しています。
そうすることで、Classiやipadをすごく身近に感じられるようになります。最初の方でしっかりと指導しておかないと、手帳などもそうですが、全然使ってもらえません。なので、4月5月は、学習記録を入力しようというのを頑張っています。
受験指導での活用
老谷先生:
高校3年生の受験指導にも使いました。夏休み中は学校に生徒が来ないので、学習の記録を残してもらうようにしたのですが、「昨日の模試は難しかった」という生徒に、「明日の何時ころ来ていいよ」といったやりとりが出来ました。また、私は必ず1日1回全員の生徒と話をするというのを決めているのですが、なかなか話せないこともコメントしてくれたりするのでコミュニケーションを取ることにも役立ちます。
クラスの平均勉強時間も出ますし、勉強している生徒の時間を共有することで平均の勉強時間がどんどん伸びていったという効果もありました。
「日々の振り返り、反省点やできたこと」また「改善点」を書かせることで、「次へとつながる目標や行動指針・計画」が立てられるようになってきます。これがeポートフォリオにもつながると思っております。
Classi × 今未来手帳
老谷先生:
Classiは便利なのですが、なかなかそれだけでは補えきれないところがあります。
そこで併用して使っているのが「今未来手帳」です。
基本的にはやってきたことを記録に残すのがClassiです。
今未来手帳では、計画を立てさせ、予定を管理します。
今未来手帳の使い方
老谷先生:
今未来手帳は、毎日持ち歩いて朝のHRで全員開かせて、昨日何時間勉強したかを記入させます。
そして、
・週間ページで、その日にどれくらい勉強するのか、勉強する時間を囲います。(計画)
・今日やるべきことをTo Doリストに書き出します。(予定の管理)
朝、必ず書かせています。昨日やったことを改めて確認できるということはいいことで、自分の勉強サイクルも見えてきます。Classiと違うのは、何時から何時に勉強したかというのが分かるところです。
今未来手帳は、週に1度、生徒から回収するので、「ちょっとキミ、夜型過ぎるんちゃうか」とか「もうちょっと早い時間から勉強できたらいいよね」、「キミ朝の移動時間に、ちゃんと勉強して偉いね」など、私たちは、そういった生徒の状況に気が付けます。
また、To Doリストを使うことによって、生徒自身が、自分が何をやらないといけないかということが明確に出来、勉強に取り掛かるまでの時間も短縮できます。
放課後、HRにもう一度手帳を書かせます。
今日の授業で出た宿題を書かせ、もう一回やるべきことを明確化するのが大事だと思います。
その日に何時から何時に勉強するのかを赤で囲わせます。
詳しい勉強の予定がたてられなくても、勉強が出来る時間帯を囲い可視化することで、学習効果は上がったと感じています。
週に一度回収し、生徒全員のものをチェックして、ハンコを押してコメントを返しているので、時間は掛かるのですが、そのやりとりをすることによって生徒も私たちのことを信頼してくれます。
うまく出来た例など、本人の許可をとってコピーして生徒に配り、褒めてあげます。そうすることで、生徒も褒められたいという気持ちと、これだけ頑張っている子がいるんだなとか、この手帳の使い方いいなとか、どんどん生徒みんなで磨き上げて、いい使い方になっていきます。
その中で、生徒自身が自分にあった手帳の使い方を見つけていきます。
今未来手帳の優れているところは、テスト前や大学受験などの細かい計画を立てられるところです。
あと、やるべきことのTo Doリストを書き出せる。1日、1週間の合計学習時間を書き出せる。
これは結構モチベーションに繋がりますよね。
面談でも使えるのですが、「キミ今回の結果良くなかったけど、あの頃はどれくらい勉強していた?」
「やっぱり、勉強の合計時間減っているよね」と、まとめて何か月のデータが見ることが出来る。
1冊にまとまっているのが手帳のいいところかなと思います。
書き出すことで自分自身を俯瞰できる良い機会になります。
受験生は不安を抱えていて、自分の勉強の方法などとても不安だと思いますが、今までこれだけやってきたんだという安心感や自信に繋がります。
学生時代に手帳を使いこなすことは非常に大事で、Classiと今未来手帳を使いこなすことで、振り返り、気付き、計画性というのは身についていきます。
4月5月で使い方を教えてあげたら、あとは生徒たちでどんどん使えるようになっていきますので、そういった意味では主体性を育むというのはうまくいったと思います。

Classiと今未来手帳の特に優れている部分を使い分けることで、それぞれにどんな目的をもって使わせるのかを考える良い機会になりました。また例えば面談でも、この二つがあることによって、過去の成績の細かいデータと学習状況を照らし合わせることで、より深い面談に結び付けられるようなイメージを持たせて頂きました。
※先生方のプロフィールは研究会当時のものです。
2018年11月30日 公開
