研究会レポート(公共)『これからの地理総合・歴史総合・公共のご指導を考える会』

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2021年9月19日(日)開催 研究会レポート(公共)
『これからの地理総合・歴史総合・公共のご指導を考える会』

2021年9月19日(日)オンラインにて『これからの地理総合・歴史総合・公共のご指導を考える会(公共)』を開催いたしました。

研究会の詳細

テーマ

これからの地理総合・歴史総合・公共のご指導を考える会
半年後に控えた新指導要領に向けて、どのように指導を行っていくかでお困りの声を多くお聞きいたします。 この研究会では、ご検討を進められている先生方に現時点の状況をご発表いただき、議論することで、先生方と一緒に実践事例や観点を得てまいりました。

パネリスト(学校)紹介

黒崎 洋介先生
神奈川県立瀬谷西高等学校 教諭。
1987年神奈川県生まれ。早稲田大学教育学部社会科卒業、早稲田大学大学院教職研究科修了。神奈川県立湘南台高校勤務を経て、2017年より現職。専門は、公民科と総合的な学習の時間における授業づくり。総務省主権者教育アドバイザー。文部科学省『高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説公民編』作成協力者。

今 智也先生
神戸海星女子学院中学校・高等学校 教諭。
大学在学中、19歳で塾講師、20歳で予備校講師となり、以降様々な塾・予備校、国立・私立の中学校・高等学校、国立大学等で講師としてキャリアを積む。30歳を機に私立中学校・高等学校の教諭に転じ、2013年度より現職。現在は大学院で研究した「法教育」について、外部と連携した実践を行っている。

福田 洋平先生
広島県立五日市高等学校 教諭。
公民科教師として、広島県内の高等学校に勤務。教員歴は10年目。学びの変革推進部にて、総合的な探究学習の企画・運営、授業づくり研修に携わる。

研究会

研究会 これからの地理総合・歴史総合・公共のご指導を考える会(公共)
日時 2021年9月19日(日)14:00~16:00
対象 高等学校・中高一貫校(中等教育学校)の先生
開催形式 ZoomでのLIVE配信

研究会レポート

パネルディスカッション

受験で知識を詰め込むこともまだまだ求められる日本の入試制度ですが、思考力をつける授業と共通テストに向けた授業、どのように時間を調整していますか?

今先生
非常に難しいと思っています。ただし、「公共」は理系の生徒も含めて全員が参加するので、いろいろ試してみたいです。受験指導については、高三時の政経もしくは倫理の時間に多めに時間を取ることになると思います。
福田先生
授業で全部をやらないといけないわけではないと考えています。授業では、単元のなかで特に大事なことを問題形式にして生徒に解かせています。教科書を読めばわかることは、復習として家庭学習にしています。

主体的に授業に取り組もうとしない生徒を引き付けるために、どのようなことを実践されているでしょうか?

黒崎先生
課題の面白さは重要です。ネタの見せ方次第で生徒の取り組み状況は変わってくるという実感があります。
福田先生
生徒が興味を持つ事柄から、どこまで深く追求することができるかを考えています。倫理は抽象的な概念を扱っても難しいですが、有名な曲の歌詞などから入るようにすれば面白いのではないでしょうか。歌詞はすべてを語っているわけではないので、余白を読み取らせることができます。
今先生
弁護士など外部の方に来ていただくことは非日常感が大きいので、興味を持って生徒は学習に取り組んでいます。刺激を与える部分も大事になります。

複数の教員で授業を受け持つ場合に、どのようにクラス間格差を解消していらっしゃいますか?

黒崎先生
時間はかかりますが、ワークシートをしっかりと整えて、共有しながら授業していくことが大事だと思います。
今先生
外部と連携するときは、ワークシートやシナリオつくっていれば、そこまで差はでないと考えています。ただし、評価は時間をかけて一緒に行わないといけません。

評価の客観性を担保するためにされていることを教えてください。

今先生
生徒からは予想もしない考えが出てくることがありますが、主観的な評価にはならないように気を付けています。
黒崎先生
生徒にあらかじめどのような観点で評価するか示しておくことと、ルーブリックを作成して説明責任を果たしておくことが大事だと考えています。

一部の生徒が社会的に極端な意見を展開したとき、その意見をどのようにまとめるようにしていますか?

黒崎先生
議論の前に布石を打っておくことが大事です。人権侵害はしないなど最低限のルールはおさえておきますが、あとは教師の力量が問われるので難しい面もあります。
今先生
思い切った意見や偏った意見を否定してしまうと意見自体が出てこなくなってくるので尊重はするようにしていますが、それは現実的にどうかという視点で、実現可能性について話すことはあります。ただし、意見を言うこと自体は止めないようにしています。
福田先生
極端な発想が個人を傷つける場合はダメですが、それ以外であれば、例えば政治的に偏った意見であっても許容しています。生徒が極端な意見を持っていても、それをはじめから抑圧してしまうことの方が問題だと思います。極端な意見は議論を活性化させるきっかけにもなりえます。大事なことは、極端な意見も含めて安心して開示した上で、それをしっかりと吟味できる場を授業で与えることだと思います。生徒が社会に出る前に、「適切に失敗できる場」を経験しておくことは必要だと思います。

最後に先生方から一言ずつお願いします。

黒崎先生
公共という必履修科目においては、がちがちの受験をめざしていくのではなく、どうしたら持続可能な社会の担い手である主体的な生徒を育てていくことができるかが大事だと思うので、政治・経済の制度とその基盤となる倫理的な考えを広く扱うようにしていきたいです。
今先生
必要なものはそれぞれ生徒によって違いますが、大学生になったら一人暮らしする生徒もいるので、契約などを優先的に教えるようにします。公共は、何をしたらいいか、というよりは何をしてもよいと考えているので、生徒の希望も聞きつつ、気軽に考えていきたいです。
福田先生
今回の勉強会を通じて、新しい教員のあり方が見えたように思いました。たとえば、「外部の人から学ぶ」とか、「生徒から学ぶ」という可能性を感じました。そのように考えた時、教員の責任の捉え方も変わってもいいのではないかと考えています。今までは「子どもに正しく、わかりやすく教えること」が教員の大きな責任とされてきましたが、むしろ今後は「教員と子どもが共に考え、学ぶ」場をつくる責任が注目されてもよいのかもしれません。これによって、授業の在り方が大きく変化することもあると思いますが、その時は教員が生徒に対して意図や狙いを丁寧に説明することで対応していくべきだと思います。

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研究会を終えて

本研究会にご参加いただいた先生方からご感想をいただきました。

導入校の声
関西地区
S高等学校
N先生

普段、なかなか他の社会科の先生方と交流する機会がなく、とても刺激をいただきました。授業改善、外部機関・専門機関との連携、評価の妥当性・客観性、カリマネなど先生方の実践から学ばせていただきました。またこのような機会をぜひお願いします。


2021年9月 取材
2021年10月13日 公開

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