研究会レポート(英語)『Listening & Speaking Training Seminar』~生徒が自宅でできるトレーニング~

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2023年9月23日開催 研究会レポート(英語)
Listening & Speaking Training Seminar ~生徒が自宅でできるトレーニング~

2023年9月23日(土)、木村 達哉先生をお招きし、対面・オンライン形式にて「Listening & Speaking Training Seminar ~生徒が自宅でできるトレーニング~」を開催いたしました。ご講演のポイントをレポートいたします。また、Web会員限定でLIVE配信を録画した研究会映像もご視聴いただけます。

研究会の詳細

講師紹介

木村 達哉先生
英語教師として西大和学園中学校・高等学校、灘中学校・高等学校で教鞭を執り、2021年4月より作家として本格的な活動を開始。その傍ら、全国各地の中学校・高等学校での講演会も行い、英語の先生の指導力向上を目指す「英語教師塾」や、福島・沖縄の生徒支援を目的とした勉強会「学びのネットワーク」を開催するなど、人との「縁」を大切にした活動を続けている。 著書は『Listening&Speaking Training Seminar』(ベネッセコーポレーション)、『ユメタン』シリーズ(アルク)など多数。

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研究会 2023年度『Listening & Speaking Training Seminar』
~生徒が自宅でできるトレーニング~
講師 作家
元 灘中学・高等学校 英語科教諭
木村 達哉先生
日時 2023年9月23日(土)15:00~17:00
対象 高等学校・中高一貫校(中等教育学校)の先生
開催形式 対面・ZoomでのLIVE配信

研究会レポート

講演の主な内容

  • リスニングができない人の壁
  • 指導の着目点
  • 指導の手順
  • 授業と家庭学習
  • スピーキングのトレーニング(
  • 生成AIの活用法(
※印は、トレーニング例を実践いただきました。詳細は動画(Web会員限定コンテンツ)をご視聴ください。

リスニングができない人の壁

リスニングができない生徒の要因を教室現場の話を交えてご講話いただきました。

1.原稿(スクリプト)が『読めない』
リスニングには必ずスクリプトがあります。語彙・文法知識の不足などでスクリプトが読めない生徒はリスニングができません。

2.音が『聞き取れない』
英語独特のリエゾン(リンキング)を知らない、話の速度についていけないとリスニングが難しくなります。

3.『集中力が持たない』
受験のリスニングは長文で段落も多いので、長いリスニングに対応する集中力が必要です。

4.『量が足りない』
そもそもリスニングの量が足りないとリスニング力はつきません。

指導の着目点

できない人の壁をどう克服するかが指導のポイントになります。

  1. やはりリーディング中心の指導ではリスニング力を伸ばすことは難しいです。
  2. 英語の検定試験対策の授業を行うと検定試験に合格はしますが、弊害(英語ができると錯覚)もあるので注意が必要です。
  3. リスニングの学習量を確保する工夫が重要です。例えば授業を音声でスタートし、リスニングで終わるのも一つの手です。

指導の手順

0.ディクテーション

「どこが聴けてどこが聴けないのか」をチェックして、書けなかった部分について次の2パターンに分類します。

  1. 「知っているのに書けなかった」場合は、音(主にリエゾン)に問題があるので、音読をして音に慣れます。
  2. 「知らなかったので書けなかった」場合は、覚えるだけです。

※ただし、リスニング力が身についてない生徒はディクテーションを飛ばしてリーディングから始めてもよい。

1.リーディング

読めない時は、教えるか、生徒自身に辞書を引かせるよう指導するか、をします。

2.素読

発音できないところをチェックし、電子辞書などで発音を調べて発音の知識を得ます。

3.オーバーラッピング(音マネ)

基本的に指導はせず生徒にリンキングを気づかせます。自分で学習できるようにするためです。

4.シャドーイング(音マネ+意味追い)

シャドーイングとは、音マネではなく内容を理解(日本語化)しながら行います。

5.バックトランスレーション(日本語を見て英語に直す)

テキストにある和訳を見ながら、スピーキングします。

授業と家庭学習

全てのトレーニングは学校だけでできないので、学校と家庭ですることの棲み分けをします。例えば、0~1を家でやり、2~4を学校でやる、5は家でやるなどです。

トレセミなどの教材も生徒に渡して提出させることはせず、例えば上記1・2は学校で、3~5は家庭で、などの工夫が必要です。

スピーキングのトレーニング

トレーニング例を実践いただきました。詳細は動画(Web会員限定コンテンツ)をご視聴ください。

基本的にスピーキングは自分の知っている語彙を話せばよいので、リスニングと比較すると楽です。学校で毎日声を出す音読の時間を15分でもよいので習慣にするとよいです。

1.基礎トレーニング(クイックレスポンス)

日本語の単語、短文をすぐにスピーキングするトレーニングです。英語ですぐに出てこない単語や文をチェックします。

2.実践トレーニング

自分のこと、地域や社会などのテーマについてスクリプトを作りスピーキングする訓練をします。最初は、話す内容のキーワードを順番に並べてトレーニングしていきます。
スクリプトは添削しません。生徒に家で作文させて、学校でALTに間違っているところだけ赤線を引いてもらい、赤線部分について生徒が自力で直すようにしています。

指導の手順生成AIの活用

トレーニング例を実践いただきました。詳細は動画(Web会員限定コンテンツ)をご視聴ください。

さまざまな生成AIを使って指導に活用することができるようになりました。問いをたてて英作文の模範解答例を提示してもらうことは可能ですが、必ずしも生徒にアウトプットできるようになってほしい形になるとは限りません。

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2023年9月 取材
2023年12月22日 公開

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『Listening & Speaking Training Seminar』